多くの家づくり経験者には、建てる前はいいと思っていたのに、住み始めてみるとそうではなかった!と思うことがあります。今回は、ハウスメーカーで家を建てて、10年になるという日刊住まいライターの後悔談を紹介します。建てるときには、さまざまな本や媒体から情報を仕入れ、設計士とも討論を重ねて、納得のいく家を手に入れたはずでした。しかし、住み始めて、さらに整理収納アドバイザーの資格を取得すると、冷蔵庫の位置が失敗だったことに気づきます。なにが問題だったのか?どうすればよかったのか?さっそくレポートします。これから家を建てようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

キッチンの奥に設置された冷蔵庫
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目次:

冷蔵庫の位置をキッチンのいちばん奥にしたことを後悔!1.子どもの成長で、一回の買い物の量も増加!奥まで運ぶのがますます大変に2.冷蔵庫から出したものは、コンロで直接使うよりもほかで使う方が多い3.コンロに立っているときに、冷蔵庫を開けられると狭くて窮屈4.勝手口からの日差しが直接冷蔵庫に当たるので光熱費が心配将来、リフォームするなら、冷蔵庫はダイニングに近い位置に

冷蔵庫の位置をキッチンのいちばん奥にしたことを後悔!

後悔していることは、いろいろありますが、いちばんの後悔は冷蔵庫の設置位置です。わが家では、リビングからキッチンが丸見えになるのがいやで、最初に設計士から提案された対面式キッチンを変更。キッチンとダイニングを横並びに設置しました。

そして、キッチンスペースのいちばん奥、コンロの向かいに冷蔵庫を設置。この場所になったのは、配置する食器棚とのサイズが理由だったと記憶しています。食器棚に比べて冷蔵庫のほうが奥行きがあって目立つから、奥に設置するべきだという、設計士からのアドバイスからです。

しかし、整理収納アドバイザーとなり動線にもこだわるようになった今では、キッチンスペースのいちばん手前に置くべきだったと思っています。その理由は4つあります。

1.子どもの成長で、一回の買い物の量も増加!奥まで運ぶのがますます大変に

冷蔵庫が奥にあると、買ったきたものを運ぶのも大変

買ってきた食品を、キッチンのいちばん奥にある冷蔵庫まで運ぶのが面倒です。たった2~3m。歩数にしたら4歩。しかし、買い物からの帰宅後、食品が詰められた重い袋は、少しでも早く降ろしたいと思うものです。

息子たちがどんどん成長してきて、食べ盛りに突入しているわが家では、一回の買物の量も増えています。両手にたくさんの食材、運ぶだけでもひと苦労です。

2.冷蔵庫から出したものは、コンロで直接使うよりもほかで使う方が多い

ダイニングテーブルで食事をしている際に、冷蔵庫の中のものが必要になるというのは、よくあること。それなのに、わが家のレイアウトでは、冷蔵庫の位置はキッチンの奥に。ダイニングから離れた場所にあります。

食事を始めてから、ケチャップやワサビなどの調味料を取りに行くのもおっくう。お茶のおかわりやビールを取りに行きたいときにも、この冷蔵庫までの往復の距離が面倒に感じられてなりません。

少しの面倒により無意識のうちにあきらめてしまうことも多いです。わずかな我慢が増えるのは、ちょっとしたストレスにつながります。キッチン入口に冷蔵庫があれば、ダイニングテーブルから立って、すぐにドアを開けられる。このちょっとした移動も毎日の積み重ねだと考えると、動線的にもったいないと感じられます。

3.コンロに立っているときに、冷蔵庫を開けられると狭くて窮屈

調理中に子どもが冷蔵庫開けると窮屈でイラっとする

筆者がコンロを使っているときに、後ろで冷蔵庫のドアを開けられると、それだけで狭さを感じます。小学校低学年の次男は、上段のモノを取りたいときには、丸イスを冷蔵庫の前に置いて取り出すので、本当にぎゅうぎゅう詰め。おたがい狭さを感じながらの作業になります。

急いで料理をしているときなどに、後ろで何度も冷蔵庫を開け閉めされると、イラッとすることもあります。

4.勝手口からの日差しが直接冷蔵庫に当たるので光熱費が心配

冷蔵庫に勝手口から差す日が当たる

さらにもう一点。わが家は、キッチンのいちばん奥に勝手口をつけました。そのため冷蔵庫と近く、日の光がガラスを通して直接冷蔵庫に当たってしまうのです。

家電メーカーのパンフレットにも、直射日光やコンロの近くなど、温度の影響を受けやすい設置場所は、避けるようにとの記載があります。熱で消費電力もアップしてしまうとのこと。

表面が温められていることで、電気代が余計にかかっているのではと、気になっています。

将来、リフォームするなら、冷蔵庫はダイニングに近い位置に

今度リフォームするときは、冷蔵庫は手前にする

家はほとんどの人にとって、一生でいちばん高い買物。そして、簡単には買換えできないのが、痛いところです。

これから年齢を重ねていくと、ちょっとのことでも身体に対する負担は大きくなっていきます。子どもたちが独立して、夫婦ふたりが住む家としてリフォームを考える際には、冷蔵庫の位置は手前のダイニング側に移動させたいなと考えています。

その際には、冷蔵庫だけが出っ張るのを防ぐために、冷蔵庫裏の壁面を凹ませて、食器棚の奥行きに合わせられるようにするか、小さくてスリムな冷蔵庫を選ぼうと思っています。

筆者の後悔が、これから家を建てる方に少しでも役立てば幸いです。

●教えてくれた人/山口真未さん
整理収納アドバイザー。片づけられる仕組みができていれば、散らかしてもすぐにきれいな状態に戻せるという信念のもと、その仕組みづくりを研究中。色彩能力検定級3級、アロマテラピーアドバイザーも保有