家づくりの際、どのような外構がベストなのかを具体的にイメージするのは、なかなか難しいもの。「枕木を使った外構が気に入っていたものの、安全面で不安を感じていた矢先、枕木にシロアリが発生しているかもしれない、という可能性も出てきたんです」と話すのは日刊すまいライターのカマタユキコさん。入居7年目に外構工事をやり直すことになったというカマタさんが、費用や工事の内容、外構工事の際に気をつけた方が良いと感じたポイントについて語ります。
すべての画像を見る(全6枚)家の前の交通量が増え、防犯面で不安も…
7年前の新築時はレンガ敷きのエントランスに枕木、ポストをシンプルに配置した外構だったわが家。庭はいずれテラスかウッドデッキをつくる予定で何も手をつけていない状態でした。
写真は新築当時のものです。枕木の間に植栽したシンプルかつナチュラルなつくり。春にはトキワマンサクの美しい花が咲き、オープンな雰囲気で気に入っていました。
でも、玄関まで回り込まずに枕木と枕木の間から宅配便のドライバーさんが入ってきてドキッとさせられたり、自宅前の道路の交通量が増えたり、と安全面での不安が強くなり、入居7年めに外構工事をやり直すことにしました。
枕木にシロアリが発生しているかも!?
ちょうどその頃、枕木の傷みも気になり始めていました。表面を触るとボロボロと崩れる箇所も…。床下のシロアリの防蟻処理を業者さんに依頼していたタイミングだったので、ついでに見てもらうことに。
業者さんが枕木をトントンと叩きながらチェックしたところ「中身がスカスカな感じがするし、もしかしたらシロアリが発生しているかも…」とのこと。
幸い床下にシロアリは発生していませんでした。業者さんによると、わが家のあるエリアは、シロアリが発生しやすいエリアなのだそうです。新築時はデザイン性だけで枕木を選択してしまいましたが、そうしたこともリサーチしして慎重に選ぶべきだったと後悔しました。
門扉や表札、植栽など既存をうまく生かしたプランに
外構工事をするにあたり、3社に見積もりとプランを出してもらいました。当然ながら50〜200万円まで費用も内容もバラバラ。
依頼したのは、すでにある植栽を移植するなど、既存の植物や門扉などを再利用するプランを提案してくれた会社でした。新築当時に植えた木は年月と共に大きく成長し、思い入れがあったからです。
他の会社が提案してくれたプランも素敵だったのですが、予算を大きく上回ることもあり、断念しました。
リクエストしたことはおもに2つ。比較的リーズナブルなメッシュフェンスを使うことと、防犯のために門以外から出入りできないようにすることでした。
まずは枕木の撤去からスタート。この撤去費用だけで11万6000円ほどかかりました。産業廃棄物になるので6万円ほど処分費としてかかるそうです。
門扉はアイアン調で気に入っていたので、一旦取り外して位置を変更して再利用。表札やポストも再利用して、植栽もほぼすべて移植しました。
メッシュフェンスはーズナブルで耐久性が高く、防犯面でも安心です。また、開放感があってクローズになりすぎないところも気に入っています。
新築当時の枕木の雰囲気も残したかったので、門周辺に「TOYOレイルスリーパー ラフト」というコンクリートでできた枕木を立てました。
フェンスの周りには、以前枕木の横に植えていたトキワマンサクを移植。新築時の雰囲気も残しつつ、安全性や耐久性の高い外構に生まれ変わりました。
外構選びは周辺環境や素材の耐久性、防犯性にも考慮を
工事費は80万円弱。新築時にもっと安全面のことやメンテナンスのことを考慮して外構を設計すればよかった、と少し後悔しました。でも、シロアリが発生する前に工事できたのが、不幸中の幸いだったのかもしれません。
これから家を建てる方は、家の前の環境や素材の耐久性、防犯性といったこともよくリサーチして外構を考えると良いと思います。