コロナで海外旅行に行けない今、旅行ジャーナリスト小野アムスデン道子さんが、家にいながら旅した気分に浸れる世界のユニークなお茶の楽しみ方を紹介します。
今回は、2021年に日本と外交関係樹立55周年を迎えるシンガポールのお茶の楽しみ方あれこれをお届けします。
シンガポール気分でお茶を楽しむ。名物「カヤ・トースト」とは?
シンガポールは、東京23区ほどの大きさで、中国系、マレー系、インド系など多様な民族構成の国。公用語も英語、中国語、マレー語、タミール語となんと4か国語です。
お茶も、英国のようにゆっくり楽しむアフタヌーンティー、作法も中国式に楽しむ中国茶、紅茶と練乳を注ぎ合う「テータリック」などさまざまな楽しみ方があります。
このテータリックは、コピティアムという庶民的な喫茶店や屋台で飲むことが多いのですが、歩き疲れたところに飲むと、濃厚なコクと甘みが身体に染みわたるようでおいしいんです。
コピティアムといえば、国民的な朝ごはん「カヤ・トースト」も名物。
現地の有名専門店「ヤクンカヤトースト」が、有楽町、新宿、霞が関に店舗を出しているので、日本で食べたことがある! という人もいるかもしれません。
香ばしく焼いたトーストに、ココナッツミルクと、砂糖・卵にパンダンリーフと言われるハーブからできたカヤジャムを塗り、薄く切ったバターをはさんで食べます。バターの塩味とカヤジャムのリッチな甘みのハーモニーがなんともいえないおいしさ。
さらにとろっとした温泉卵にしょうゆをかけ溶いたものをつけて食べることも。コピというコンデンスミルク入りのコーヒーと共に味わいます。
コピティアムや屋台が集まったホーカーセンターなどで軽食を気軽に食べるのが楽しいシンガポール。午後にちょっと小腹が空いたらおすすめなのが「カレーパフ」というカレー味のポテトが入ったパイ生地のスナック。お茶やコーヒー、そしてミロとも合うのだとか。
東京の西新井にあるカフェ「リトルマーライオン」で味わうこともできます。
こんな庶民的な味からミシュランのレストランまで食も幅広いシンガポール。街も高層ビルが立ち並ぶエリアもあれば、チャイナタウン、リトルインディア、カンポングラムなど個性的なエリアも。この多様性がシンガポールの個性です。
2021年は日本とシンガポールの外交関係樹立55周年の年で、今はまだ制限のあるシンガポールへの旅行が再開されたときに向けて、バーチャルツアーや音楽配信などの記念キャンペーンも予定されています。そして、イメージキャラクターはあの“ウルトラマン”! どんなキャンペーンなのか楽しみです。甘いテータリックを入れて、動画を見ながらひとときシンガポールへの旅気分を味わってみたいですね。