住宅ローンを組むときに、団体信用生命保険に加入する人は、生命保険を見直しましょう。必要な死亡保障額を算出し、その分だけ民間の生命保険で賄えるようにすれば、保険金による十分なサポートを確保しつつ、月の支払いを抑えることができ、家計が楽になる可能性があります。
1. 住宅ローンと生命保険の関係は?
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一般的に、銀行等で住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険(=団信)に加入することが条件とされることがほとんどです。
1-1 住宅ローンと団体信用生命保険
住宅ローンの返済者が返済途中で死亡した場合は、団信の保険金で残りの住宅ローンが一括返済される仕組みになっています。
つまり、団信は生命保険なのです。金融機関が団信加入を必須にするのは、ローン返済者がいなくなったときに債務が残らないようにするためです。
住宅ローンを借りる人が併せて団体信用生命保険に加入することで、万一のことがあっても、銀行は住宅ローンの返済が滞る心配をしなくて済みます。
遺族は住宅ローンの返済を免除されて住宅を手元に残すことができるようになっていて、住宅ローンの借り手・貸し手の双方にとってメリットがある保険といえます。
団信加入不要の金融商品は「フラット35」ほか、数えるほどしかありません。
1-2 団信の補償内容と民間の生命保険の保障内容
団信が生命保険ならば、自分の入っている民間の生命保険と同じ保障内容になっている可能性があるために、それぞれの保障内容を確認する必要があります。
保障内容がかぶっているものがあれば、内容を精査し、最低限の保障内容になるようにしましょう。
削減した場合は保険料が月数万円安くなる、総額で数百万円安くなる場合もあります。
削減した保険料では貯蓄や住宅ローンの繰り上げ返済などに回すことができ、さらに住宅に支払う費用を抑える効果が期待できます。
2. 生命保険の内容、どう見直せばいいの?
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生命保険見直しの必要性が理解できたら、次に、実際どのように見直せばよいかを見ていきましょう。
2-1 残される家族の生活費を考える
契約者が亡くなってしまったあとは、ローンの残債に充てるお金のほかにも様々なお金が必要なはずです。
例を挙げると、残された家族の住居費(家賃)、食費、光熱費、通信費、日用品費、娯楽費、医療費、教育費などがあると思います。
それらをなるべく正確に算出しましょう。
2-2 必要保障額を算出する
必要な費用の合計額を算出したら、そこから遺族年金や死亡退職金等の死亡後の収入、貯蓄額を差し引きます。
この「必要保障額」が生命保険の保障金額にすべき金額です。
2-3 両方の保険を使ってカバーできるようにする
団体信用生命保険により万一の場合のローン返済はされます。
そのために、民間の保険では、必要保障額が補償金として支払われるように設定しましょう。
両方の保険によってうまく保障内容を設定すれば、余分な出費がなくなります。
3.まとめ
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住宅ローンを組んだら、団体信用生命保険に加入することになるため、既存の生命保険と保障が重複する場合があります。
重複を避けるために、必要保障額を算出し、最低限のカバーができるように保障内容を再設定しましょう。
ただし、ライフステージによって必要な死亡保障額が変わってくる可能性があります。定期的に見直しをすることを忘れないようにしましょう。
ファイナンシャルプランナー(AFP)/宅地建物取引士一般社団法人/家族信託普及協会®会員 吉井希宥美