テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中の憲法学者・木村草太さん。約10年前に専有面積81.79平米、昭和60年築の団地を1500万円で購入し、工事費1450万円(税・設計料別)でリノベーションを行いました。実際のリノベ後の住まいの様子はどうなのでしょうか?詳しくお話しを聞ききしました。
光と緑を感じる開放感のある空間に!
DKとリビングをつなげるなど、空間を開放的にするリノベを行った木村邸。けれども実際には、それ以上の広がり、さらに明るさも感じられる団地とは思えない空間に仕上がっています。
すべての画像を見る(全9枚)これはリビングから、隣接する寝室を見た写真です。間仕切りに採用しているのは、ガラス。上部が透明なので視線が伸び、天井もつながっているため奥行きが強調されて、空間がより広く感じられるのです。既存を利用したガラス入りドアも馴染んでいますね。
設計を依頼されたスタジオCYの堀内雪さんは「透明感を持たせることで、家の奥まで明るくしたくて。外の緑の気配も中まで取り込もうと考えました」と話します。
多目的に使える“畳アイランド”
寝室には、妻が要望した“畳アイランド”を設置。就寝時に布団を敷くだけでなく、腰掛けたり、子どもたちの遊び場になったり。また、下部は大容量の収納にもなっています。
夫妻がダイニングにいても、この畳アイランドで遊んでいる子どもとガラス越しに目線が合うそうです。
そして、なんとダイニングに面しているバスルームもシースルー!脱衣スペースを含めてサニタリーは丸ごと隠せるようにカーテンレールを設置していますが、子どもが小さいうちはオープンに。
見守る夫妻、入浴する子どもの双方が安心できるつくりです。光や緑を取り込むための工夫は、子育てにもぴったりですね。
ポップなカラーリングで明るさを演出!
既存では和室が2部屋あり、南側の和室は寝室に、北側の和室は隣にあった洋室と併せて子ども室に変更しました。
北側にあった和室
子ども室は、寝室と同じように腰高より上をシースルーにして光を取り込みつつ、壁全体を収納に利用しています。ポーターズペイントで塗装した扉がポップで、いいアクセントになっていますね。
「北側の部屋って、暗くて室でが高くて物置みたいになりがちだけど、まったくそれを感じません」(妻)との言葉どおり、明るく居心地のいい空間に生まれ変わりました。
窓側には、妻が「昔から夢だった」という長いカウンターを造り付けました。
今はワンルームとして使っていますが、将来は収納家具などで2つに仕切って使うつもりだそう。そのため、ドアも2か所に設けています。
キッチンはシンクのあるアイランドカウンターは高めに、コンロ側は低めに設定。使いやすさを追求したキッチンですが、やはり面材の色選びにもこだわったそうです。
キッチン奥に見える扉は、左がトイレで右が洗濯機置き場。トイレ扉の内側はグリーンをアクセントにしています。
将来は、木村さんの仕事に便利な都心に移り住むことも考えているそうですが、「ここが快適すぎて、ほかでは暮らせない気がするね」と笑います。
設計/スタジオCY(サイ)/堀内 雪
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.29」取材時のものです。
木村草太さん/1980年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。首都大学東京教授(憲法学専攻)。
『自衛隊と憲法』『子どもの人権をまもるために』(ともに晶文社)など著書多数。
※情報は「リライフプラスVol.29」取材時のものです