1月15日発売の「住まいの設計2019年2月号」では、家好き芸人、アンガールズ・田中さんが建築家の自邸を突撃取材する3回目の連載が掲載されています。アンガールズ・田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそうです。今回は、緑に囲まれた落ち着いた住宅街に溶け込むように建つ、建築家・佐藤重徳さんのお宅を取材しました。

目次:

大開口により感じつつ薪ストーブの温もりに包まれる吹き抜けに浮かぶ「ブリッジ」が空間のダイナミックさを強調!鳥のさえずりと植栽の緑にホッとひと息するバルコニー

大開口により感じつつ薪ストーブの温もりに包まれる

田中さん
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佐藤重徳さんは12年前、長女が小学校に入学したのを機に土地を購入し、RC造3階建ての家を建てました。

「緑が多い住宅地ですけど、ちょっと面白い立地ですよね」と田中さんが言うように、北と南の2つの道路に挟まれている敷地

田中さん
「せっかく道が2つあるから、トンネルのような家にして両方の道とつなげようと思いました。近くの公園とも緑を通してリンクすれば、大きな居住地になると。街並みに楽しく緑を提供。環境をつくることも建築家の仕事ですから」(佐藤さん)。
田中さん

「薪ストーブはどうですか?」と田中さんが尋ねると、「南の大きなガラス面から冷気が下りてくるので、薪ストーブの暖かさで空気のバリアをつくっています。最新の薪ストーブはとても性能がよくて、快適」と佐藤さん。

田中さん

剪定した庭木も薪に使うと聞いた田中さんは、「無駄がなくて、めちゃくちゃいいじゃないですか!」と大絶賛。

「ヨーロッパやアメリカでは、車と同じように薪ストーブの性能検査があるんです」(佐藤さん)との話に興味津々の田中さんでした。

吹き抜けに浮かぶ「ブリッジ」が空間のダイナミックさを強調!

田中さん

ブリッジからLDKを見下ろし、「これだけ大きな“抜け” があると、かなり開放的ですね」と、田中さんがその眺めに圧倒されていると、「うちの両親は、『ここに部屋が2つはつくれる』って言うんです(笑)」と、2階から奥さんの声。

「たしかに2部屋つくりたくなる気持ちも分かりますけど(笑)、あえて思い切って“抜く” ことで余裕が生まれて、こんなに気持ちいいっていうことを、みんなにぜひ分かってほしい!」と田中さんは力説していました。

「南側の隣家は幸い2階建てですが、将来3階建てが建つ可能性もあるので、そうなっても採光できるように吹き抜けを設けています」(佐藤さん)。

田中さん

3階北側には子ども室が配されており、吹き抜けに面した通路には本棚とデスクを設置した家族共用のライブラリーを配置しています。

また上部には、トップライトが設けられています。

「この家は自然の光をたくさん取り入れていますね」と田中さんが言うと、「本が日焼けしちゃうので、トップライトにすだれを掛けたほうがいいかなと思っています」と佐藤さん。

トップライトには屋根に出られるようハッチが設けられており、佐藤さんは自分でガラスや煙突の掃除をしているそうです。

田中さん

こちらはブリッジからLDKを眺めた写真。

南面の大開口が開放感をもたらすリビングダイニングは、窓を開けると外にいるようです。

さらに、佐藤さんがデザインした円形のダイニングテーブルが、四角い空間にやさしい表情を与えています。

鳥のさえずりと植栽の緑にホッとひと息するバルコニー

こちらは南の庭に植えられた2本のシマトネリコの緑が美しい、リビングからの眺め。

バルコニー越しに見える緑がとてもきれいです。

田中さん

バルコニーの庇は2階が深く、3階は浅めにすることで、夏の日差しをカットし冬は奥まで光を取り入れている。

田中さん

「鳥の巣箱にシジュウカラが来るんですって」と田中さん。

田中さん

3階にも2階と同様にバルコニーが設けられており、窓拭きが可能。

田中さんはちょっと怖そうでしたが、街を見渡すこともできます!

もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2019年2月号」をご覧ください!

【取材協力】
佐藤重徳建築設計事務所
東京都府中市府中町1-30-2-101
http://www2.odn.ne.jp/sato-sigenori/
1960年生まれの佐藤重徳さんは、レミングハウス(建築家・中村好文氏)勤務を経て、'97年に佐藤重徳建築設計事務所を設立。住宅のほか、保育園の設計、家具デザイン、薪ストーブの開発などを手掛けている。

撮影 難波雄史
※情報は「住まいの設計2018年12月号」取材時のものです