神奈川県横浜市の田中さんファミリーが住むのは、専有面積100平米を超えるメゾネットタイプのマンションです。リビングダイニングは一部が吹き抜け空間になっていて、開放感もたっぷり。昭和57年築の中古物件で、購入時には既に築30年以上でしたが、リフォーム済みだったためとてもきれいだったそうです。
すべての画像を見る(全14枚)リノベーション前のリビングダイニング
しかし田中さんは、住まいをより理想的な空間にするべく520万円(税・設計料込み)でリノベーションしました。低価格でリノベできたのは、生かせる既存部分が多かったからです。これはリフォーム済み物件の大きなメリットといえますね。
予算にメリハリをつけて憧れのヘリンボーン床を実現!
設計・施工は、物件を見つけると同時に個別セミナーに参加したnu(エヌ・ユー)リノベーションへ依頼しました。
nuリノベーションには「ECO」という既存の使える部分を生かしたリノベーションサービスがあり、一気に話が進んだといいます。
妻が描いていた理想の住まいとは「ヘリンボーン張りの床、白い壁と天井、そこに少しずつ買い集めている大好きなアンティークのインテリアを並べて……」というものでした。その実現には壁と床の素材が重要と考えて、玄関からLDKまでの壁と床、天井は一新。シンプルを心がけ、空間は理想どおり白を基調としました。
オーク無垢材を使ったこだわりのヘリンボーン張りの床は、予算の都合で家族がいつも一緒に過ごすリビングダイニングのみとしました。手前の床は乱尺張りです。すっきりとしたリビングダイニングに、妥協せずに集めてきたお気に入りの家具や照明がピッタリとはまっています。
個性的なセルジュ・ムーユのランプもよいアクセントになっています。
LDに隣接したもうひとつのリビングには、Pタイルを貼りました。床材の張り替えが、場を分ける役割も担っています。こちらのリビングは現在、妻の仕事部屋として使用中です。
奥には天井までの棚が設置してあります。1センチ単位でセミオーダーに応じてくれる「本棚屋」に注文し、DIYで白く塗装しました。キッチンのバックカウンター棚も「本棚屋」でオーダーしたものです。
置きたい物のサイズを細かく採寸して、ピッタリに収めています。前の住まいで妻は「物に囲まれて毎日イライラしていた」と言いますが、信じられませんね。
既存を生かしながらDIYでもコストを圧縮
間取りは変更しておらず、2階や玄関ホール奥の2室には手をつけませんでした。
右手の洋室にはIKEAの「PAX」を置いて収納部屋に、左手の和室は家族の寝室として使用しています。個性的な洗面室の床や便器、トイレのドアも既存を利用しました。
ただ、ユニットバスは交換し、洗面所も新しくつくり直しました。洗面所は壁の一部のみ薄いグレーの壁紙を貼ってアクセントにしています。妻が「描いていたイメージにピッタリだった」というサンワカンパニーの洗面台は、施主支給品です。
キッチンはオールステンレスが理想でしたが、予算との折り合いがつかず木目調に。壁もタイルと決めていましたが、予算の都合でDIYしました。タイルは入居前から夫妻で貼り始めたそうです。
当初は目地を白にしていましたが、汚れが気になるので入居後にグレーの目地を入れ直しました。DIYしたからこその、機転といえるかもしれませんね。玄関床のタイルもDIYです。
リノベ前の玄関
リノベ後の玄関ロッカーのような収納棚は靴入れです。「気に入ったものを見つけるまで“とりあえず”で妥協したくない」と妻。この棚に巡り合うまでは、下駄箱がなかったとか。
単なる整理整頓ではなく根本的に暮らしを見直すため、妻はライフオーガナイザー®の資格を取得したといいます。
すっきりと片付いた空間で厳選したインテリアに囲まれ、念願のシンプルライフを満喫する夫妻でした。
設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです