「歴史のある古い街に住みたい」と、古い洋館や港の見える丘公園がある横浜・山手エリアのマンションを購入したOさん一家。エリアにはマンション自体が少なかったため1年がかりで物件を探し、昭和54年築のマンションを約3,000万円で購入しました。リノベーションを依頼したのは、「施工例を見て一番好みが合うと感じた」というエム・デザインです。
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3LDKを1LDKに一新。寝室をLDKの中に設けた大胆リノベ子ども部屋の天井には家族の星座を描いたアートが!自ら描いたデザインスケッチを形に。思い通りの住まいを実現水回りは広く快適に、LDKはヘリンボーンの床とヴィンテージ家具で理想の空間に3LDKを1LDKに一新。寝室をLDKの中に設けた大胆リノベ
広さ85.55平米の住まいの元の間取りは3LDK。東西にバルコニーがあるのが魅力でしたが、細切れになった3つの居室と狭いサニタリーが難点でした。そこで一旦スケルトンにし、1LDKへと大胆に間取り変更することに。
住まいの中で目を引くのは、LDKの中に設けた夫妻のベッドスペースです。
あえて壁で仕切らずワンルームとすることで空間を伸びやかに見せつつ、ブラインドを下ろせば空間を仕切れるプラン。
ベッド脇の壁に設置した小さな飾り棚は、時計やスマートフォンを置くのに重宝します。
子ども部屋の天井には家族の星座を描いたアートが!
一方、西側の個室には、子ども用のベッドと夫婦二人のデスクが仲良く共存。家じゅうが家族全員の共用スペースとなっているユニークな住まいです。
大胆な天井の絵は、夫の提案でアーティストの大小島真木さんに依頼したもの。家族の星座である動物が散りばめられた幻想的なこの絵は、大小島さんが1週間泊まり込んで制作したのだそう。とってもロマンチックですね。
自ら描いたデザインスケッチを形に。思い通りの住まいを実現
物件を探している1年の間に、好みの間取りやインテリアをじっくり練っていたという妻。マンション購入時には「間取りだけでなく色や素材まで、奥様が詳しいデザインスケッチをつくってくださいました」と、エム・デザイン代表の藤原真紀子さん。
例えば低めに設定したキッチンカウンターは、「料理をしていても家族の顔がよく見えるように」と妻がスケッチしたデザインを形にしたもの。メインの団らんの場であるダイニングにいる家族と会話しやすいデザインです。カウンター背面、アール壁で仕切られたパントリー内部は、キッチンのタイルと合わせて壁をシックなブルーに塗装。
キッチンを動かしたことで生まれた空きスペースには可動式の収納棚を設置する工夫も。ここには、リビングでよく使うものを収納しています。
夫婦のデスクスペースの造作棚の配置やサイズも、ほぼ妻のデザインスケッチ通り。目を引くドアの赤は、長女が選んだ色だそうです。
水回りは広く快適に、LDKはヘリンボーンの床とヴィンテージ家具で理想の空間に
狭かったサニタリーは快適な広さに一新し、バスルームも一回り大きく。
トイレは向きを変え、手前にあった収納スペースをなくして広々とさせました。
洗面台は病院用シンクと集成材で造作したオリジナルです。洗面室とトイレの床材に、掃除しやすくコストを抑えられる木目調のフロアタイルをセレクトしたのは藤原さんの提案。
こうしたプロならではのコストカットの目線で、工事費は800万円(税・設計料込み)におさめました。モルタルで仕上げた玄関は、隣接するベッドスペースをコンパクトにしたことで広さを確保。大容量の下駄箱は、扉の素材を室内のインテリアの雰囲気と調和させています。
「リノベーションの過程がすごく楽しくて、もう終わっちゃうのかと残念だった」と振り返る妻。こだわったヘリンボーンの床に、新たに揃えたこだわりのヴィンテージ家具が調和する住まいで、理想の暮らしを実現しています。
設計・施工 エム・デザイン
撮影 中村風詩人
※情報は「リライフプラスvol.24」取材時のものです