70平米のマンションをリノベーションした、Fさん夫婦のお宅。東京都大田区内で平成元年築、専有面積70平米の中古マンションを購入し、「大きなワンルームの家」をテーマにリノベーションをしました。物件価格は2,980万円。4mを超える一枚板のテーブルが印象的です。洗面やバスルームなど水回り以外は個室を一切つくらず、すべてひとつながりの空間としたのです。えっ、じゃあ寝室も仕切りがないの? しかもサンルームまであるなんて……。一体どんなお宅なのでしょうか?
すべての画像を見る(全10枚)プランニングは夫妻で。設計と施工は「話して楽しかった人」に依頼
それぞれ社宅住まいだったFさん夫妻は、結婚を機に新居の購入を検討。「自分たちで家をいじりたい」とリノベーションをすることに。
都心に絞って物件を探し、出会ったのが南側にたっぷりの開口が取られた70平米のマンションでした。
実は、ともに設計の仕事をしているFさん夫妻。プランニングまでは2人でするつもりで、何社かの設計事務所、リノベーション会社などに相談しましたが、「話していて面白く、楽しく家づくりができそうだと感じた」というエム・デザインに依頼することにしたのです。
大きなワンルームの中に色々な居場所がある家
Fさん夫妻のリノベのテーマは、「大きなワンルームの中のいろいろな場所でくつろげる家」。洗面室とバスルーム、トイレ以外はどこにも間仕切りがありません。
3LDKの部屋の壁をすべて取り払い、大きなワンルームとしました。そのため、家の中は広々スッキリ!
リノベ済み物件のため、キッチンは新品だったので、そのまま利用。黒いレザー調のダイノックシートを扉に貼ってイメージを一新しました。モルタル仕上げのキッチンカウンターもおしゃれです。
キッチンのバックカウンターはオリジナルで造作、上部にはオープン棚を設けました。梁の存在感をやわらげる効果もあります。
壁一面に設けた本棚は、ガス管を利用してつくった個性的なデザイン。本だけでなく、妻の鉱物コレクションなども楽しげに並んでいます。
リノベ済み物件のため、トイレ、洗面、ユニットバスも新品でした。比較的デザインもシンプルで使い勝手も申し分ないため、すべてリユースすることに。結果、工事費は510万円(税・設計料込)とリーズナブルに抑えることができました。
寝室がベンチにも収納にも縁側にもなる?
大きなワンルームがテーマのF邸。もちろん寝室にも仕切りがありません。洗面室の隣にあるベッドコーナーは、床面から35センチ上げて段差をつくりました。
ダイニング側に向いた一部をベンチに、下部を収納として活用するためです。
さらにその奥に目をやると、今度は床面から下げて場を分けたサンルームのようなスペースが。東と南の2面に窓があるこのスペースを見て、Fさん夫婦はサンルームにしたい、と考えたそうです。
凹凸のある個性的なタイルを敷いた床に、やわらかい日差しが反射して、半屋外のような心地よい空間になっています。
設計・施工 エム・デザイン
撮影 中村風詩人
※情報は「リライフプラスvol.23」取材時のものです