ヘルシー食材として日本で不動の人気を誇る枝豆。じつはアメリカでも、健康的なスナックとしても活用され、子どものお弁当やおやつにぴったりと喜ばれているそう。「ずんだ」的な食べ方も人気といいます。

アメリカ・シアトル在住ライターのNorikoさんに、現地で人気の食べ方と、簡単につくれる枝豆ディップのレシピを教わりました。

ベジタリアン対応の万能フード、枝豆はアメリカでも大人気

ずんだとビスケット
ヘルシーな枝豆はアメリカでも人気
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ここ10年ほどヘルシー志向の食文化がトレンドのアメリカで、豆腐とともにすっかり市民権を得ているのが枝豆。ベジタリアンだけでなく、居酒屋ブーム、回転寿司店ブーム、ラーメン店ブームを経て、地元のスーパーマーケットにも当たり前のように並び、一般家庭に認知されてきています。

袋に枝豆

日本ではビールに合うおつまみというイメージがありますが、アメリカでは健康的なスナックとしても活用され、子どものお弁当やおやつにぴったりと喜ばれています。最近は、さやからそのまま食べるだけでなく、さまざまなアレンジもされているようで、とくにペースト状にして楽しむ食べ方が注目されています。それはまるで、日本の東北地方で食べられている「ずんだ」を思わせます。

●アメリカ版「ずんだ」の食べ方は?

むいた枝豆

東北では、おもちや団子、おはぎ、まんじゅうなどのあん、そして昨今はスムージーやアイスクリーム、スイーツとして人気の「ずんだ」。一方のアメリカでは、ディップのように「なにかにつけたりのせたりして食べる」イメージです。

小さな子ども向けにはシンプルに塩、砂糖で味つけする「ずんだ」同様のつくり方が主流ですが、大人向けにはお酒のおつまみによさそうな、さまざまなアレンジがされています。

クラッカーとの組み合わせが大半ですが、一般的なディップ同様に、スティック状の生野菜やグリル野菜を合わせる場合も。地中海風にピタパンにつけるのもおしゃれです。ネーミングも、ピタパンを使う場合は特に「枝豆ハマス」と呼ばれています。

●大人向けにはいろいろアレンジして楽しむ

アメリカ人が大好きな地中海料理のハマスはヒヨコ豆を使ったディップですが、枝豆も同じ豆ですし、親和性があるのかもしれません。それ以外では、単純に「枝豆ペースト」「枝豆ディップ」などと呼ばれています。

ハマス風アレンジは、オリーブオイルやニンニク、レモンなどを利かせて、食欲を刺激する味。よりヘルシーに、アボカド、ホウレンソウ、パクチーなどの野菜やハーブを混ぜるレシピも人気です。こうした違う「緑色」をたすことで、よりグリーンになり、写真映えするのもポイントです。
ビールや白ワインによく合うパクチーを入れたレシピを紹介しますね。

●冷凍枝豆を使って簡単!「枝豆ハマス」のレシピ

枝豆ハマス

【材料】




・冷凍枝豆(ゆでてさやから出したもの) 1.5カップ

・パクチー(ホウレンソウ、アボカドでも可) 1カップ

・塩 小さじ1

・ニンニク(すりおろし) 大さじ1

・レモン汁 大さじ1

・エクストラバージンオリーブオイル 1/2カップ

・練りゴマ(ゴマダレ、ゴマドレッシングでも可) 大さじ1

【つくり方】

(1) 材料すべてをフードプロセッサーにかける(もしくはハンドミキサーやすり鉢などを利用)。

(2) やや粒々感が残るくらいのペースト状になったら、皿に盛りつけて完成。

アメリカでは練りゴマではなく、「タヒニ」と呼ばれる地中海料理用のゴマペーストを使います。パクチーを入れずに、枝豆だけでも十分おいしいです。意外とボリュームがあり、これをクラッカーでディップして食べるとかなりおなかがふくれます。冷やして食べてもよく、つくりおきに重宝。おうち居酒屋やホームパーティーの一品にもぴったりです。

のり

ダイエット中の方などカロリーを気にする方に、クラッカー代わりにぜひ試してほしいのは、スティック状の生野菜やグリル野菜はもちろん、私のイチオシはのり! 家にあった韓国のりで巻いて食べてみたところ、ビールがますます進みました(笑)。また、地元の日本食レストラン、居酒屋などで目にしたことがあるアレンジとしては、揚げたワンタンの皮と合わせるというものもありました。こちらもビールとよく合いそうです。

東日本大震災から10年。枝豆のポテンシャルは高く、世界に誇る東北の食文化、中でも「ずんだ」の可能性はまだまだ広がっているように思います。アメリカ人の夫は、小豆、きな粉、ゴマ、しょうゆなど、さまざまなもちや団子のフレーバーがある中で、「ずんだ」がいちばん好きだと言いきります。

ワクチンなど新型コロナウイルス感染対策が成功し、世界中から観光客を迎えられるようになった暁には食を含めた東北観光が盛り上がり、北海道のような世界的なブームが来るかも? と期待しています。

【Norikoさん】

アメリカ・シアトル在住で現地の日系タウン誌編集長。フリーランス・エディター/ライターとしても、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『

アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『ビックリ!! 世界の小学生』(角川つばさ文庫)。