しまい方の工夫をしたつもりでも、片づけたはずのものが迷子になったり、取り出しにくかったり…。結局、工夫したはずのしまい方が続かず、失敗に終わる収納の習慣やテクニックは多いものです。自分に合った「続けられるしまい方」はどうすれば見つかるのでしょうか? ヒントを探るべく、ESSE編集部では整理収納アドバイザーのEmiさんのお宅を取材してみました。その結果わかったのは、手間になることは省いたほうがいいということ。Emiさんは「収納扉を外す」「奥行きを使いきらない」という2つアイデアで、「続けられるしまい方」をしていました。
すべての画像を見る(全9枚)収納スペースの外して開閉の面倒を省略!手間なく定位置へ戻せる仕組みづくりを
扉の開閉に手間がかかると感じたら、外してしまうのがEmiさん流。扉の開け閉めという2つのアクションが減るだけで、心のハードルが下がり、片づけに対する抵抗感がなくなります。
●ゲタ箱の扉を外せば、子どもでもスムーズに靴の出し入れOK
子どもたちが靴を出し入れするのに、ゲタ箱の扉の開け閉めはちょっと大変そうと感じたEmiさん。さっと靴を投げ込んで簡単にしまえるように、扉を外してしまいました。2つのアクションが減ることで、子どもも自然にお片づけ。たたきに靴が脱ぎっぱなし、ということもぐっと減りました。「扉があった方が見た目はすっきりするけれど、この方が子どもも私もストレスなく片づけられますね。それに扉がないと、どこになにがあるのかすぐわかるので、外出時の準備と片づけがラクに」。
●外出時に持ち運ぶものも、いっそう便利に出し入れ
扉を外した結果、外出時にもっていくものの出し入れも快適になりました。Emiさんのお宅のゲタ箱では、下の段が、子どものサッカーボールとバッグの定位置に。「家に入る流れで、右のカゴにボール、左のカゴにバッグを投げ込むだけ、と簡単に毎日できます」。
ちなみに上段には大人のものを。サングラスや帽子、日焼け止めなどを納めています。また、便利に使える位置であることから、宅配用の印鑑や梱包をほどくハサミもこちらへ置くことに。
●身支度や洗濯時の出し入れもワンアクション
家族全員の下着やパジャマをしまっている洗面所の収納棚。「大きな扉の開閉が面倒だったので、撤去。朝脱いだパジャマをしまうのも、入浴時に洗濯物を洗濯カゴへ入れるのもワンアクションになって、自然に定位置に戻せるように。脱ぎ散らかさなくなりました」。
奥行きを使いきらず余白を残して、目と手が届くスペースだけを活用
奥行きのある収納スペースは、つい奥まで有効に使いきろうとしがち。「じつは、それが収納の落とし穴に。奥行きに合わせて収納アイテムを選ぶと、結局、手が届きにくい奥のものが取り出しにくく、使い勝手が悪くなってしまうんです」。また、視線についても同様なので、死蔵するものや迷子になるものも出てくることに。
●収納ラックの奥行きはあえて使いきらない
Emiさんのお宅では、家族共有の筆記用具を収納しているラックに、A4サイズが入る引き出し収納を手前に並べ、奥のスペースはあえて残したままにしています。「引き出しを少し引くだけで中身が見渡せて、目当てのものが見つけやすいんです」。
ラックを真横から見た様子。ラックの奥行きを全部使わずに、引き出し収納と壁に余裕を持たせていることがわかります。
●ボックスは手前に並べて配置
子どものオモチャやカメラは、リビングのスチールラックに木箱を並べて、その中に収納。「奥行きを目一杯使いきろうと奥まで入れると、結局、手前にものが置かれ、奥のものが取り出しにくくなるだけです。手前のラインにそろえ、奥になにがあるのかわかりやすくしました。空間のあきはデッドスペースでなく、使いやすさのためのゆとりと考えます」。
ラックを斜めから見たところ。箱の前面をラックの手前にそろえて、あえて奥は隙間に。 いかがでしたか? パッと見てわかりやすく、面倒なことはできるだけ省くというのがEmiさんがたどりついた「続く収納」の秘訣。
ESSE11月号の「続く収納、続かない収納」特集では、Emiさんのほかに、柳沢小実さんや吉川永里子さん、ひよりさんなどさまざまな収納達人を紹介しています。チェックして、あなたにぴったりの「続けられるしまい方」を見つけましょう。