いまは家族がいてにぎやかでも、いつかやってくるかもしれない「一人暮らし」。人生100年時代、「長生き」することを不安に思ったり、リスクに感じてしまうのはなんだか残念です。とはいえ、「もしもひとりになってしまったら?」「お金のことが不安」。そんな人も多いことでしょう。

36歳で夫と死別。ふたりの子どもを育て上げ、今は一人暮らしを楽しんでいるシニアブロガーのりっつんさんに、お金のことを伺いました。

パンなどの食事
一人暮らしのりっつんさんの食費は月に2万円程度。料理好きなりっつんさんの食生活は、野菜中心に、おいしく・楽しく(「りっつんブログ」より)
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60代一人暮らし。向き合わざるをえない老後のお金のこと

「お金が得意じゃなかった」というりっつんさん。老後のお金について、あるとき息子から心配されて、はっと気づかされたと言います。

●それは息子の一言から始まった。「老後のお金、大丈夫?」

「私、もともとお金の管理は得意じゃないんですよ」

夫が亡くなった時、年子の息子たちは小学生。まだまだ学費もかかります。家のローンだってありました。

「住宅ローンは夫の団信(団体信用生命保険)で清算。息子たちの大学の学費はすべて夫の生命保険でまかないました」

大きな出費には夫が遺してくれた財産を充て、日々の暮らしは在宅でできる仕事をかけもちして、子育てと仕事を両立してきました。日々の家計をやりくりしてきたりっつんさんですが、還暦を迎えた頃、ファイナンシャル・プランナーになった二男から、こんな一言が。

「老後、大丈夫なの?」

●老後のためにポリシーを撤回!

「もともと、お金のことは一切、息子たちには伝えずに来たんです」

年収も資産も一切明かさずにここまで来ました。とはいえ、ひとり家計に変わって10年以上。そろそろ専門家に相談したいと思っていたのだとか。

「息子が言うんです。お金は1円も残さなくていい。人生を楽しむために使いきってください。逆に、お母さんがお金に困っているとわかっても、こちらから仕送りはしない。家計管理や財産運用のことは教えるから、自分で判断できなくなるまではがんばって、って」

「だれのお金で大きくなったと思ってるのよ、とも思いましたけどね」と快活に笑うりっつんさん。それでも、息子さんの申し入れに「お互い依存しない、自立した関係でいられるなら、お金の相談をしてもいいかも」と思い直し、ポリシーを撤回して相談することにしたのです。その結果、「家計を見直したら、お金にも心にもゆとりが持てるようになった」といいます。
それでは、なにをどう見直したのでしょう?