秋はサンマ、サケ、サバなどが旬を迎える、魚のおいしい季節。秋の魚は、栄養素が豊富に含まれます。管理栄養士の藤内薫さん曰く、「ずいぶん前から魚離れといわれますが、おいしい今の時期だからこそ、魚を食べるチャンスです!」。とはいえ、自分でさばくのはちょっと…という人も。そんな人には缶詰を使ったレシピがおすすめです。魚に多く含まれる栄養素DHA、EPAのことを学びながら、早速試してみましょう。

サンマ
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DHA、EPAは、動脈硬化や血管が詰まるのを防ぎ、中性脂肪を下げる

DHA、EPAとは魚の油に含まれる“脂肪酸”の種類のこと。じつはこれらは、肉にはほとんど含まれていません。脂肪酸にはいくつかの種類があるのですが、人間の体でつくることができないため、食事でとる必要があるものは“必須脂肪酸”といわれます。DHA、EPAともこの必須脂肪酸です。

DHA、EPAには、動脈硬化や血管が詰まるのを防ぐ、また、血液中の中性脂肪を下げる働きがあります。とくに健診などの血液検査の結果で「中性脂肪が高め」と言われた人には、大切なものです。DHAは脳や神経、目などに多く存在するので、子どもや赤ちゃんの脳の発育のために、とくに妊婦にとってほしい成分。

DHAやEPAは、淡白な白身魚より、今が旬のサンマやサバなど、脂がのった魚の方が多く含んでいます。カツオは春と秋の2回旬がありますが、あっさりした春のカツオよりも脂がのった秋の“戻りガツオ”の方が、DHAもEPAも多く含みます。脂肪酸はバランスが大切なので、肉と魚が1:1にするのが目安です。よくいわれる「今日はお肉だったから、明日はお魚にしよう」という習慣は、まさにこういうことなのです。

魚料理は、缶詰を使うとお手軽でおいしい!

ただ、魚をふだん食べない方にとっては、「調理が難しそう」「なにをつくったらいいかわからない」と、魚料理のハードルが高いようです。そこでおすすめなのが、缶詰を使った料理。レシピを2つご紹介しましょう。

●サバと野菜のショウガ煮込み

適当な大きさに切ったネギや白菜と、サバの煮つけの缶詰を鍋に入れ、汁気が少なくなるまで煮れば、さっそく一品できあがりです。千切りのショウガを入れれば、さらにワンランクアップした味になります。

●サバのコロッケ

サバのコロッケ

揚げ物が好きな方におすすめなのは、サバのコロッケ。ゆでてマッシュしたジャガイモと、サバの水煮缶を汁ごとあわせ、塩コショウを振って丸め、卵とパン粉をつけて揚げれば完成!

魚の缶詰のなかでも、調理後に缶に詰めるツナより、生のまま缶に入れて調理をするサバやイワシ、サンマの缶詰の方が、DHA、EPAともに多く含みます。缶詰なので賞味期限が長いですし、いざというときに便利です。コスパもよし!

魚の種類や旬は、地域によって変わります。川魚の方が身近、という地域もありますね。サバやイワシなどの青魚ほどではありませんが、川魚でDHAやEPAが含まれます。アユよりもウナギやコイなど、脂が多い川魚の方がDHA、EPAとも多いのは、海の魚と同じです。旅行や出張の際は、地元のスーパーの魚売り場をぜひのぞいてみてください。本当に楽しいですよ。