マンガ家でありながら、整理収納アドバイザーの世界に足を踏み入れ、さまざまなお宅をウォッチングし続ける葛西りいちさん。独特の観察眼と思考で、インテリア&整理収納の世界では常識とされていることに疑問を呈してきました。今回葛西さんが気になったのは「ストック」について。どこに置けばいいのか、いくつ持てばいいのか…。どの家庭にとっても悩ましい永遠のテーマ、はたして葛西さんはどう考える?
整理収納の世界では「ストックは基本的に1つまで」
こんにちは、葛西りいちです。両親との同居にあたり、実家(3LDK・戸建て)の荷物をすべて処分し、賃貸に出したのですが、家具&家電処理費用いくらかかったと思いますか?
リサイクル業者さんに依頼して、13万5000円でした。正直安いのか高いのかさっぱりです。どうぞ今回も「整理収納アドバイザーは見た!」におつき合いください。今回のテーマは「ストック」です。
ストック!
すてきな響きです。私は若いころからストックが大好きでした。漫画家としてデビューしたころ、常に好きなメーカーのペン先を2箱は持っていないと不安で不安で仕方がなかったです。主婦になった今も、ストックへの執着をなかなか捨てれられず、この整理・収納の世界で働くようになって苦労したものです。そう、ストックとの別れに…。
「ストックは基本的に1つまで」と習ったとき、本当に衝撃でした。私は日用品のどんなものも2個はないと不安な体質だったからです。
それから苦労して「1個」に慣れるまで1年くらいかかったと思います。今ではキッチンペーパーなんか、最後の1ロールになるまで買わないというところまで矯正されました。
「一般家庭に多いストック」ベスト3を発表!
ストックに対する執着がひどいため、お客さまの家でもいちばん見てしまうのは、やはりストックです。では、私の見たなかで一般のご家庭に多かったストック(食品関係は含まず)を皆さまにご紹介します。
●3位 掃除用スプレー全般
使いかけのスプレーが3本あって、その3本に対してストックが2個ずつあったりします。でもこの3位は仕方ないのかもしれません。酸性・アルカリ性・中性と、ペーハーの違う洗剤がこのジャンルは多すぎるためです。
●2位 トイレットペーパー&ティッシュペーパー
不思議なのですが、トイレットペーパーが多いご家庭はティッシュペーパーも多い傾向にあります。どちらか片方という人は少なかったです。若干ティッシュペーパーの方がストック率が高い気がするのは、花粉症に悩まされる人が多いからかもしれません。
●1位 ジップロックやゴミ袋、紙袋などの袋類
女性の鉄板です。なぜこんなにゴミ袋がいるのか、紙袋がいるのか。男性は不思議で仕方ないかもしれないですね。女は太古の昔、木の実や野草を取って集める生活をしていました。たくさん取れてもそれを入れる「容器がない」と持って帰れないわけで…。持ち帰るのに苦労をした「記憶の遺伝子」が今も刻み込まれているから、女は袋類が好きなのです。嘘ですが。
ストックを入れるものをストックする人も…
皆さまはいかがでしょうか?ちなみに私がもっともしがちだったストックは地味に「柔軟剤」です。今も気を抜くと、お店で2個手に取っている自分がいます。
また、今まで仕事で見たなかで私がいちばん衝撃だったストックは、「IKEAの積み重ねられる白のプラケース」でした。なぜこんなに使いもしないケースを重ねて置いておくのかとお客様に伺ったら「廃盤になっては困る」という返事でした。
「ストックを入れるものをストックしておく」…まるで永遠に終わらないマトリョーシカのような気がして、気が遠くなりますね。
漫画家。結婚とともに整理収納に目覚める。2015年に整理収納アドバイザー2級を取得。1級所持の先輩にくっついていってアシスタント的なことをやったり、家事代行の仕事をちらほらやりつつ現在1級取得を目指し勉強中。近著に『
零戦少年』(秋田書店)、『
へっぽこママはギブ寸前!!』(ぶんか社)など