連絡をした相手から返信が来ない、職場の同僚や友人の素っ気ない態度が気になる…など、大人になった今もちょっとしたことが気になって、そんな自分に悩んでしまうことはありませんか?

精神保健福祉士として、人間関係、心の不調など悩みなどさまざまな悩みを聞いてきた東亜衣子さんは「年齢を重ね暮らしに余裕が出てきた50代、60代の方でも、以前よりも気にしすぎるようになった、と感じる方が多くいらっしゃいます」と話します。
どうしても気にしすぎてしまうとき、どうすれば気持ちが楽になれるのか対処法を教えてもらいました。

悩む女性
つい気にしすぎてしまう自分とのつきあい方は?(※画像はイメージです)
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「気にしすぎる自分」に悩むときの対処法。まずは書いてみる

「気にしすぎてしまう」性格自体に年齢は関係ありませんが、年を重ね少し自分と向き合う時間ができた、自分の趣味の時間ができた、とってもうれしいのになんだか小さいことがとっても気になる、気にしすぎだってわかっていても気になって気になって仕方ないという方も少なくありません。

気にしすぎる性格の人は、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼ばれ、生まれつき「とても感受性が強く敏感な人」という意味で、音や人の表情、顔色などに非常に敏感で繊細です。
HSPは元来とっても生真面目で何事にも一生懸命な性格の人が多いのです。気にするということは、人の気持ちを慮ることであったり、人の立場に立って物事を考えるということでもあったりするのでけっして悪いことばかりではなく、よい部分はたくさんあります。

ただそのことで、頭も心も占領されてしまのはつらいものですよね。そんなときにどう考えれば少し楽になるのか、その方法をお伝えしたいと思います。

●自分はなにを気にしているのかをはっきりさせる

メモをする様子
気になって仕方ないことを書き出してみましょう

(1) メモになにを気にしているのか書いてみる

たとえば、友人にLINEを送って既読になったのに返事が来ないという気にしていることがあった場合は「LINEの返事が来ない」と書きます。
このときに気をつけてほしいのは、返事がない原因をあれやこれや想像しないことです。
あくまでそれは想像であって、ここで必要なのは事実のみです。

(2) それに対して自分はなにができるかを3つ書いてみる

次にラインの返事が来ないことに対して、自分ができることはなんだろうと考えてみてください。
たとえば「もう一度LINEしてみる」「電話してみる」「もう少し待ってみる」など3つ書き出してみます。

(3) 自分の心がいちばん楽になる方法を選ぶ

どれが楽になる方法か考えて選びましょう。(2)で書き出してみると、自分にできること、やるべきことはとても少ないことに気づくことができます。

苦しんでいるのは想像の部分かもしれない

気にしすぎる人が気にしているのは、とてもシンプルなことであることが多いです。
LINEの返事が来ない、友達から急に連絡がなくなった、職場の人がそっけない態度だったなど、日常生活でだれもが経験することであったりします。

ではなぜ、同じ内容でも気にしすぎる人と気にしない人がいるのかというと、それは「想像していることがあるかどうか」の違いです。

気にしすぎる人は「自分が嫌われるようなことをしたんだろうか」とか「自分の発言に気分を害したんだろうか」とか「だれかから私のうわさを聞いたんだろうか」とか想像が膨らんでしまい、気にしている出来事よりもその想像が自分を苦しめているのです。

想像してしまうという行為は性質や気質もあり、なかなかやめられるものではありません。でも自分が気にしているのは想像の部分なのだという意識をしっかりもつことで、頭や心を支配していたものが少し軽くなっていくはずです。

●気にしすぎる自分も受け入れよう

この性格が嫌だ、直したいと思っていても、簡単に直せるものではありませんよね。
大事なのは、「自分が小さなことも気になる性格なのだと知っていること」なのです。知ることは、対策を練り解決に向かう第一歩です。

また、気にしすぎるからといって価値が低くなることも、評価が下がることもありません。小さなことが気になる自分も、大切にするべき自分。無理に変えようとせずに、受け入れて一緒につき合っていくことも心を軽くするコツだと思います。