10月になり、新しく家計簿を新調する人が多い時季ですね。書店にもたくさん並び始め、次の年の家計管理をどうしていこうか考える人も多いのではないでしょうか?
家計簿の監修もしているファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんに、自分に合う家計管理の方法について教えてもらいました。
家計簿ってどのようにつけたら効果がある?自分にあった家計管理方法
10月になると書店には家計簿が並び始めますが、私が監修している「
節約家計ノート2021」年版も今年で18年目を迎えます。とくにコロナ禍では収入や出費の変化があります。生活様式が変われば出費が変わるのも当然です。その都度、柔軟性を持たせて家計管理をすることが大切になります。ぜひ今年は家計管理の重要さについて考えていただきたいと思います。
今回は、自分に合った家計管理術の見つけ方についてお話します。
●家計簿の紙と電子どちらをつけたほうがいい?
家計簿と予算管理はセットになっています。計簿には大きく分けて2種類あり、紙と電子(アプリやソフト)があります。それぞれによい点があります。
【紙のメリット】
紙はお金の記録を書き残すことで、記録や記憶を流すことなく、出費と向き合いながら反省できます。また数字を客観的に眺めてみることで気づきにくかったムダを見つけることができます。瞬時にグラフ化することは苦手ですが、その日の出来事や食事などを日記のように記録できるよさがあります。
【電子のメリット】
電子の家計簿は、家計管理開始日や各費目の予算を入力しておくことで、使った金額から自動的に残金を計算して教えてくれたり、レシートをスマホのカメラ機能で撮るだけで入力や集計が簡単にできます。そして入力した情報をもとにどの費目が高いのかといった分析も、一目でわかるように工夫がされています。
クレジットカードなどのキャッシュレス決済の登録をしておくことで、キャッシュレスで支払った分も自動で反映されるものもありますので、複数のキャッシュレス決済を利用している場合は、管理がラクになるというのも電子家計簿のメリットと言えるでしょう
紙も電子にもどちらの家計簿でも言えることですが、ただつけて満足するだけではなく、赤字になる原因を分析し、予算の見直し、予算内でやりくりする方法を考え、お金を貯める。この作業を行うことで、家計簿をつける効果が出てくるのです。
●自分に合った「予算管理方法」を見つけましょう
私としては家計簿は紙でも電子でもどちらでもよく、お金の流れがわかるもので、自分がつけやすく、管理しやすいものを選ぶべきだと思います。家計簿と同時に大切なのが、「予算管理方法」です。予算管理方法もいくつかあり、自分にあった方法を見つけるのが大切です。
(1) 袋分け
予算管理の王道は現金の袋分け管理です。食費、日用品費、美容費など費目ごとに予算を決めて、給料日に予算分の現金を引き出してそれぞれの袋に分けて、予算に収まるようにやりくりをします。
おすすめは、食費を5週に分けて週ごとにやりくりする方法です。1か月の予算が6万円なら、1万2000円×5週に分けて、毎週決まった曜日に食費専用財布に予算を入れてやりくりをして、残ったお金は繰り越しをせず封筒に戻し、新しい週の予算を入れて毎週同じ予算でやりくりをする方法です。
そしてどの費目にも使える「予備費」を1~2万円持つと予算オーバーになったときにも対応することができます。
(2) レシート管理
こちらは買い物をしてもらったレシートを家計簿に貼って、1日いくら使ったのかを集計しながら、その週や月の予算内に収めていく方法。
ただ、レシートを眺めるだけではなく、レシートの買い物をした商品名にレシートに記載された商品名と金額を見ながら、「必要なもので、安く買えたもの=〇」「必要なものだけど高く買ってしまったもの=△」「買う必要がなかったもの=×」とチェックをつけるのがポイント。「×」がつく商品やサービスは何か、「×」が多くつく店はどこなのか、そのムダが発生するタイミングはいつなのか、レシートの会計時刻と行動パターンに照らし合わせて客観的に分析することで、ムダな買い物をするお店は素通りするように意識をしてムダづかいを減らし、予算内に収めるように行動することができるようになります。
(3) 1日○○○円で生活する
食費やこづかい以外の生活費の予算を月6万円とした場合、1日あたり2000円以内で生活をするやりくり方法。カレンダータイプのウォールポケットなどに、1日の予算を入れてその日の分だけお財布に入れます。1日のやりくりで残ったお金は、専用の封筒に分けて入れて、毎日定額でやりくりするクセをつけたい方向けの管理方法です。
イレギュラーなことが発生した場合ルールが崩れやすいので、飲み会など1日の予算以上の出費があるときは、何も買わない無買デーをつくって浮いた分を合算して使うことができるなど、マイルールをつくっておくことがおすすめです。
(4) 1か月を35日間としてやりくりする
一般的なやりくりは、給料日から次の給料日までを1か月として管理しますが、この方法は、1か月生活費を35日間、つまり5週間でやりくりすること。これは、予算が1か月に数日スライドされていくことで約半年に1度、生活費がまるまる1か月分残る計算になるのです。ちょっとしたボーナスが半年に1度出るので、半年に1度奮発して買い物などをしたい人に向いています。
【35日間管理で浮く日数】
1、3、5月 4日
2月 7日
4、6月 5日
合計29日
7、8、10、12月 4日
9、11月 5日
合計26日
●続けられそうな方法でやりくりしていくのが大切
いくつかの管理方法がありますが、自分にもできそうだと思った方法からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。大切なのは、予算を守るためにどのように行動をすればよいか考えることです。買い物の際に、本当に必要かどうかを考えたり、節約できる方法を考えたりすることで、やりくりスキルが向上します。
そして日々のやりくりだけではなく、長中期といった長いスパンでのお金の管理も大切です。毎月のお金の出入りがわからないのに、長期のお金を見通すことはほぼ不可能です。この毎月の家計管理の繰り返しが、将来のお金につながることも忘れないようにしましょう。