テレビや雑誌などで、スマートに暮らすためのアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさん。本当に必要なものだけに厳選して暮らすための「捨てる」テクニックについて、だれでもすぐに実践できるやり方を教えてもらいました。

「とにかく捨てられない!」問題をどうするか

整理収納に関する講演会やブログに寄せられる質問に多いのは「とにかく捨てられない!」というお悩み。「だってまだ使えるもの」「だって思い出があるもの」「だって大変な思いをして手に入れたんだもの」…。
これ、わかる、わかります! でもね、「まだ使える」のに、使ってないんですよね? 「思い出がある」だけで、しまい込んだままなんですよね?「大変な思いをして手に入れた」はずが、もう何年も手に取っていないですよね?
そうなんです。捨てることよりも、じつはもったいないのは、使っていないということなんです。

ものの量を適正化するための「捨てる」技術

ものの量を適正化するための「捨てる」技術
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写真は、少し前のパンパンだったわが家の食器棚。ちまたの片づけ術には、多くのものをどうにかこうにかスペースにしまうというワザもありますが、片づかない最大の理由はやっぱりものの量。ものを並べ替えてどうにか使いやすくしようと工夫してはいたものの、取り出すたびに種類の違う食器がガチャついて不便なことこのうえなし、でした。

身もフタもなく聞こえるかもしれませんが、ものの量が適正であれば、収納スキルなんて不要です。ものの量を適正化する、すなわち、捨てるために、私が実践しているおすすめのやり方を教えます。

(1)理想の暮らし、自分の姿をイメージする

いちばんはじめにすることは、どのような暮らし、どのような空間にしたいかを明確にすることです。「理想の自分」を、できるだけ具体性をもってイメージしましょう

(2)収納の中身をすべて取り出し、分類する

収納の中身をすべて取り出し、分類する

片づけたい収納場所から、ものをすべて取り出し、下の2つのカテゴリに分類します。

・最後に使ったときが明確に思い出せるもの ・最後に使ったときがはっきりしないもの

登場頻度が低くても、決まったイベントで必ず使うアイテムなどであれば、前に使ったのはいつだったか、はっきり思い出せるはず。いつ使ったかわからないものは、結局、なくても困らないものなんです。

(3)からになった収納場所をきれいに掃除する

すべてを取り出して分類し終えたら、収納場所を可能な限り、掃除しましょう。美しくなった空間を目の当たりにすると、再びカオスにするのが恐ろしくなります。

(4)収納場所に必要なものから戻していく

収納場所に必要なものから戻していく

「最後に使ったときが明確に思い出せるもの」のなかから、必要だと思うもの順に、元の位置に戻していきます。食器棚の中もここまですっきりしました。

beforeafter

左が片づける前、右が片づけた後の写真です。必要なものだけがすべて収まった空間を目にしたら、だれもが達成感と喜びを覚えるはず。

もしスペースが余ったら、「最後に使ったときがはっきりしないもの」を収めてもいいでしょう。ただし、このとき、必ずあることを頭に置きながら作業してください。あることとは、手順のいちばん初めに思い描いた「理想の自分」が、それを使っているかどうかということ。このイメージ能力が重要です。

おそらく、最後に使ったときのことを思い出せないようなものに関しては、現段階では、愛着も薄く、必要性もそこまでないものだと思われます。私は、このやり方で多くのものを手放せました。とくに洋服なんかは、このイメージをもてると、判断が格段に早くなります。

成功する人は捨て上手が多い!?

成功する人は捨て上手が多い!?

本当に必要なものだけで暮らすということは、ムダなもの、ジャマなものがないということ。成功している人の部屋にはものが少ないとよくいいますが、阻むものがないと、動きもスムーズになり、驚くほど時間と心に余裕ができます。そして視界に余分な情報が入らないと、思考もクリアになるというメリットが。

片づけの問題は、どうしまうか、ということよりも、ものの量が適正かどうかということ。ここに書いたのはあくまで私のやり方ですが、みなさんも自分が納得できる「捨てルール」を探してみてください!

【阪口ゆうこさん】

整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書に『

家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ

』(日本文芸社刊)がある。月間200万PVのブログ「

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」を更新中。