今の時季、カビは住まいのあちこちで発生します。活発になるのは、気温20~30℃、湿度70%以上の環境。梅雨入り後から夏にかけて発生し、大繁殖することに。「カビは汚れを栄養源にするので、活動が活発化する前にしっかり掃除をしましょう。大繁殖してから退治しようとすると大変です」。
こうアドバイスするのは、ハウスクリーニングのプロである尾崎真さん。今回はとくに気になる水回りの掃除法とカビの予防法について教えていただきました。
【キッチンの掃除法】カビはもちろん、悪臭の原因にもなる汚れを徹底除去
キッチンでカビが発生すると、食中毒の危険も。小まめな掃除と日々のケアが必要です。
【排水口】重曹&クエン酸で掃除。発泡効果でカビ汚れもにおいもすっきりさせましょう。
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排水口に重曹を大さじ2ふり入れ、次に重曹の半分量のクエン酸水を流し込み発泡させ、5分おきます。「発泡効果で汚れが浮き上がり、古歯ブラシでラクにカビがこすり落とせます。排水口掃除は2週に一度の目安で」。
●予防法
排水口に菌が繁殖しないよう、バスケットの生ゴミは毎日取り除き、水洗い。「アルミ箔を丸めたボールを2つ程度トラップに入れておくと、ヌメリ防止に。1週間ごとに交換します」。
【冷蔵庫】
外気に触れるパッキンのカビは消毒用エタノールでしっかり掃除を!
●掃除法「外気に触れるパッキンは、汚れがつくとたちまちカビが発生。綿棒に消毒用エタノールをつけてこすり、除菌します」。また、野菜室は、カビ菌を含んだ野菜クズで汚れがち。定期的に取り外し、水洗いしましょう。
●予防法調理中の手で冷蔵庫に触れるなど、パッキンに汚れがついたらすぐふき取る習慣を。こびりつきは、綿棒+中性洗剤で対処。月に一度は庫内を整理し、汚れのもとをためないことも大切です。
【三角コーナー】
カビはもちろん、においの原因にもなるのでしっかり掃除を。
●掃除法生ゴミを入れる三角コーナーは、カビやヌメリが発生。「ゴミを取り除くなど毎日のケアを基本に、週に一度は重曹をふりかけ、スポンジでこすり洗いを」。汚れが落ちたら水洗いし、クエン酸水をかけて仕上げます。
●予防法調理の最後に三角コーナーの生ゴミは取り除き、水で洗い流し、最後に消毒用エタノールをスプレーし除菌を。においも消えてすっきり!
【まな板】
定期的な殺菌を心がけ、カビと細菌を除去します。
●掃除法まな板は、包丁の刃でできたキズに汚れが入り込み、カビや細菌が発生。「月に一度は掃除を。重曹をふりかけてから熱湯を全体にかけ、殺菌します。スポンジでこすり洗いしたあと水で洗い流し、水気をふき取って」。
●予防法口に入れるものをカットするまな板は、常に衛生的に保ちたいもの。使用のたび中性洗剤とスポンジで洗うのはもちろん、風通しのいい場所にキープするのが大事です。
【給湯ポット】
水アカはクエン酸で。フチについたカビは古歯ブラシでこすり落とします。
●掃除法「内側に付着した水アカは、クエン酸で除去するのがおすすめ」。水位いっぱいに水を入れ、クエン酸30gを加え沸騰させ、2時間放置。水を捨てスポンジで内部を洗い、フチについたカビを古歯ブラシでこすり落とします。
●予防法ポットに水を入れっぱなしにすると水アカがつきやすくなり、カビの原因にも。お湯を使わないときや長時間外出する場合は、水を捨てる習慣をつけましょう。
【トイレの掃除法】ブラシを便器の水で洗うと、カビをまき散らかすことに
便器をこするトイレブラシはカビやすいので要注意。あちこちにカビを広げないよう、エタノールや天日干しで撃退!
●掃除法便器の汚れは、おもにフチ裏につく尿石。「トイレブラシに重曹をつけこすり洗いし、水で流します」。使用後のトイレブラシは、水洗いしてからエタノールをスプレー。「晴れた日には天日干しする習慣をつけましょう」。
●予防法掃除後にトイレブラシを便器の水で洗うと、ブラシについたカビをまき散らすことになります。「日々の掃除は使い捨てシートで。ブラシは定期的に交換しましょう」。
【洗面所の掃除法】カビの栄養源になる石けんカスや水アカをしっかり落とす!
石けんカスや水アカが付着すると、カビの栄養源になります。金属部分を中心に、2週に一度はこすり洗いを。
●掃除法カビがつきやすい排水口は、重曹と古歯ブラシでこすり洗い。「ボウルの汚れは重曹+スポンジで。蛇口の水アカはクエン酸水をスプレーし、古歯ブラシでこすります」。がんこな水アカやカビはラップで湿布すると効果的です。
●予防法洗顔や歯みがきのあとは、石けん泡や歯みがき粉の飛び散りを洗い流し、水気をふき取ります。「蛇口回りの水滴も忘れずにふき取り、水アカを予防しましょう」。