「大繁殖してからカビを退治するのは大変。放置しておくと健康被害が起きる危険もあります。カビは汚れを栄養源にするので、活動が活発になる前にしっかり掃除し、取り除くことがおすすめです」そうアドバイスするのは、ハウスクリーニングのプロである尾崎真さん。梅雨であるこの時期は、しっかりと掃除をしておくことが大切と説きます。

「カビは掃除がしにくく、湿気がたまるエアコンや洗濯機、浴室がもっとも厄介。定期的なリセット掃除と日々の予防法を組み合わせれば、ラクにきれいな環境をキープできますよ」

今回は尾崎さんが、エッセの読者に正しい浴室の掃除の仕方を教えてくれました。

放置すると掃除も大変
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浴室は、湿気と温度でカビの巣窟になることも。放置すると掃除も大変!

湯気や水気にさらされる浴室は、油断するとカビが大繁殖。「入浴後は汚れを洗い流し、週に一度は洗剤を使って掃除を」。皮脂や石けんカス、水アカ、黒カビなど、汚れによって洗剤を使い分けるのがコツで、「天井→壁→床・排水口と上から下へと掃除すると効率アップします」。

●用意するもの

フロアワイパー、ぞうきん、浴室用中性洗剤、スポンジ、重曹(粉末)、ブラシ、クエン酸、スプレー容器、酸素系漂白剤(粉末)、塩素系カビ取り剤、古歯ブラシ、ラップ

●まずはCheck!

腰から下をよく見てください
腰から下をよく見てください

壁や床は石けんカスや皮脂で汚れがち。「腰から下をよく見てください。体を洗うときに飛び散るので、腰から下の高さがとくに汚れやすく、カビの発生スポットになるんです」。

天井は要注意です!
天井は要注意です!

「天井は湯気で湿度が高く、放っておくと、カビの胞子を浴室じゅうにまき散らします」。浴室の天井は小まめにチェック!

【天井】の掃除の仕方!浴室掃除でまず手をつけるのはここ!

フロアワイパーでふく
フロアワイパーでふく

フロアワイパーに水でかたく絞ったぞうきんをセットし、天井の掃除を。天井のすみにワイパーの角を当て、一方向に動かしていくのがコツです。

がんこなカビには浴室用洗剤をつけて
がんこなカビには浴室用洗剤をつけて

黒カビが目立つときは、ぞうきんに浴室用洗剤をつけてふいてみましょう。水でかたく絞ったぞうきんに替え、残った洗剤をふき取って仕上げます。

【壁】の掃除の仕方!腰から下の高さの汚れに要注意

(1)温水シャワーをかける

温水シャワーをかける
プロ技の掃除&予防法で発生スポットを根絶やしに

浴室の壁を効果的にきれいにするには手順が大切。「温かいシャワーで、水アカや石けんカスをゆるませると、汚れが落ちやすくなります」。

(2)スポンジでこする

スポンジでこする
下から上に

スポンジに浴室用洗剤をつけ、壁をこすります。「スポンジは下から上と動かせば洗剤が垂れず、二度ぶきの手間がありません」。

【床】の掃除の仕方!皮膚や水あかなどのカビ原因をしっかり落として!

(1)重曹をまく

重曹をまく

体を洗い流す床は、皮脂や水アカなどがカビの原因に。まず温水シャワーで濡らしてから重曹をまいて、皮脂を浮かせます。

(2)ブラシでこする

ブラシでこする

ブラシの先で凹凸に入り込んだ汚れをかき出すようにこすり洗い。「重曹の研磨効果でラクに落とせます。ブラシは浴室用の大きい方がラクです」。

(3)シャワーをかけ、水分をふき取る

シャワーをかけ、水分をふき取る

汚れが落ちたら、シャワーで床を洗い流して。

よくふき取っておきましょう

「続いて水アカを掃除する前に、乾いたぞうきんで水気をよくふき取っておきましょう」。

(4)クエン酸スプレーをかける

クエン酸スプレーをかける

クエン酸水(水100ccにクエン酸小さじ1/2)をスプレー容器に入れ、床全体にまいて。「スプレーして20分放置。水アカをゆるませます」。

(5)ブラシでこする

ブラシでこする

目地に沿ってブラシを動かし、水アカをこすり取ります。汚れが落ちたら温水→冷水の順でシャワーをかけ、ぞうきんで水気を取って。

【排水口】の掃除の仕方!換気をしながら安全対策も

(1)漂白剤を入れ発泡させる

10分おき、汚れが浮き上がったら水で流します

フタやバスケット、トラップなど外せるものはすべて外し、酸素系漂白剤をふり入れ、温水を少量入れて発泡させます。「10分おき、汚れが浮き上がったら水で流します」。

(2)カビ取り剤をかける

カビ取り剤をかける

カビがひどい場合、塩素系のカビ取り剤を使います。「クエン酸など酸性の洗剤と混ぜると危険です! 漂白剤を十分に洗い流してから使って。換気も必須」。フタの裏側にも、カビ取り剤を忘れずに。

(3)ブラシでこする

ブラシでこする

フタなどにこびりついた汚れを、幅の狭いブラシでこすり落とし、シャワーで流します。「排水口のフチについたカビもブラシでこすりましょう」。

ピカピカに!
ピカピカに!

黒ずみやヌメリが取れて、見違えるほどクリーンに。フタをまめにケアしていたとしても、排水口の内側も結構汚れているもの。掃除は必要です!

【浴室小物】の掃除の仕方!意外に見落としがちなこちらも忘れずに

(1)浴槽に漂白剤を入れる

浴槽でつけおきに

蛇腹の溝やフチがカビやすく、洗いにくい浴槽のフタ。つけおきならラクにきれいになります。「同様に洗いにくい脚や底が汚れるイスや洗面器も、浴槽でつけおきに」。かぶるくらいの温水と酸素系漂白剤大さじ2を入れ、10分放置します。

(2)古歯ブラシでこする

古歯ブラシでこすり落とし

ゆるんだカビを古歯ブラシでこすり落とし、洗い流せば完了。

細かいものは、オケに入れても
細かいものは、オケに入れても

「シャンプーボトルなど細かなものはオケで同様につけおきに」。

浴室のがんこなカビを取るにはどうする?

壁の継ぎ目やドアのパッキンなど、浴室のカビは放置すると石けんカスが付着し、さらにカビ、石けんカス…とミルフィーユ状に。「がんこなカビは、上に付着した汚れをあらかじめ取り除いてから、湿布法で除去しましょう」

がんこなカビを取る

(1)ブラシに浴室用洗剤をつけ、石けんカスなどの汚れをこすり落とし、水でかたく絞ったぞうきんでふき取る。

ラップをして10分放置

(2)カビ取り剤をスプレーし、ラップをして10分放置。水で洗い流し、乾いたぞうきんで水気をふき取って。

【予防法】湿気をためないことがまず大切。毎日の習慣でカビを予防!

入浴後の浴室は室温が高く、石けんカスや水気があちこちに飛び散り、まさにカビが大好きな環境。「入浴のたびに汚れを洗い流し、水気をよくふき取る習慣に。日々の予防を徹底すれば、掃除の時間がぐんと短縮。窓をあける、換気扇を回すなど、室温を下げることも忘れずに」。

入浴後の3つの予防習慣

(1)温→冷シャワーをかける

温→冷シャワーをかける

壁や床、小物にシャワーをかけ、汚れを流す。「温水で汚れを落としてから冷水にし、浴室の温度を下げて」。

(2)水分をふき取る

水分をふき取る

壁や床などの水分は、乾いたぞうきんを使ってふき取って。「壁はスクイージーを使うとスピーディーです」。

(3)換気する

換気する

湯気にさらされる天井付近は、湿気が残りがち。窓をあけるか、換気扇を回す習慣を!

*塩素系漂白剤やカビ取り剤などの塩素系の洗剤は、クエン酸などの酸性のものと混ぜると有毒ガスが発生するので、絶対に同時に使用しないでください。塩素系の洗剤を使用する場合にはゴム手袋をして、必ず換気を行って