老後のお金が話題になっています。自分の老後より先にくるのが「相続」の問題。
ここではESSE読者268人に、親のお金や老後のお金に関するアンケートを実施。相続に関するトラブルや不安、リアルな声を集めました。

老人が座っている様子
一方の親が亡くなると、さらに相続について聞きづらい状況に(※写真はイメージです)
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ある日突然、相続人に…!?親世代の「負動産」問題

「長男がいるので、私はノータッチにしようと心に決めています。できれば、遺産も相続したくないかなと。ただ、実家の荷物の整理だけはしたいと思います。個人的に片づけが趣味なので、きれいにしたい気持ちです」(42歳・主婦)

このようにあらかじめ相続について考えておき、速やかに手続きできるのが理想。しかし話し合いができないまま、ある日急に当事者になってしまった人たちもいます。

●時間と手間がかかる相続

「相続で、とある証券会社に口座があることがわかりました。あまり残高はないかも? と言われながら調べてみると残高は数十円。それでも、亡くなったと伝えたら手続きをしなければならず、その数十円のために私は口座をつくって相続する羽目に…」(40歳・パート)

また親が万が一、税金や社会保険料を滞納していた場合や借金があった場合などには、思いがけないマイナスの相続が発生してしまう場合もあります。

●兄弟と話し合いができていない

「親の住宅ローンがまだ完済されていない。自分に兄弟がいるので、もしものときの相続をどうするつもりか知らない」(35歳・派遣社員)

●祖父の相続で急にまとまった現金が必要に…

「祖父が急に亡くなって税金対策をしていなかったので、相続税など現金が急に必要になって困りました」(39歳・パート)

●不動産を資産だと思い込んでいる親世代

考えこむ老夫婦
親世代は不動産を「価値あるもの」ととらえがちです(※写真はイメージです)

「田舎に山をいくつか持っているらしいが見たことがなく、どういう相続になるのか、いくらになるのかわからないです。またまったく貯金をしてないので、将来介護施設に入るときのことなど考えていないと思います」(25歳・パート)

「義実家の祖母が山や土地があるらしいのですが、嫁に行った近場に住む姉と、遠くに住んでいる婿を取った妹(義母)で相続についてもめています」(32歳・専業主婦)

●ゴミ屋敷化する家が心配

「親にお金のことを聞いても教えてもらえないのでわからないままです。家とは別に邪魔な土地があるということしか知らないですが、家も荷物が多くてゴミ屋敷化しそうです。解体やゴミ処理に100万円ではたりないなと思うと胃が痛いです」(45歳・パート)

親世代が抱えている不動産について、不安に思っている声が目立ちました。「資産になる」と思っていても、いざというときに現金化がすぐにできず、多額の固定資産税などがかかり続けて「負動産」となってしまうと心配する声も。

●マイナスの遺産になりそうな不動産への不安

老朽化した家屋
価値がない不動産は相続税や固定資産税などかえって“負動産”になることも…(※写真はイメージです)

「土地や貸家などがあるが、どれもどのくらいの価値があるのか不明で、相続する際に逆に借金にならないかなどが心配です」(35歳・パート)

「相続税やあき家になるであろう実家の固定資産税の支払いが心配。実家を売るのも後ろめたい。独り身の父は寂しさからか買い物依存症で、ありとあらゆる通販グッズやサプリを購入している。自分のお金とはいえ、使わないものをたくさん購入している事が悲しくまた腹立たしいです」(44歳・コンサルタント)

そして、“負”動産は相続放棄するのも大変。親族でもめることも…。