高齢化が深刻化する日本。今、老親のお金の問題に悩んでいる人が増えています。
ESSE読者にアンケート調査し、実際に起こった親のお金にまつわるトラブルや困ったエピソードをまとめました。
「退職金が消滅」「自己破産」など、笑えないエピソードも多々…。
金銭感覚が違う親世代の本当にあったお金の話
働き盛りのエッセ読者268人に、親の生活資金や老後のお金に関するアンケートを実施。まずは率直に不安に感じている親世代のリアルなお金事情を聞いてみました。
●退職金が入った瞬間に気が大きくなってしまった親
「退職してから約15年。退職時に5000万円ほどあった貯金は数百万まで減っているらしいです。まだ71歳なのに、このペースでいくと近々底を尽きてしまう。平均寿命で考えてもまだ余命10年以上あるし、今後は貯蓄を切り崩さずに年金だけで暮らせるよう金銭感覚を変えていかなければ資金ショートを起こしそう。
でも長年の金銭感覚は変えられないようで、散財しているのを見ているともどかしさを感じます。今は健康ですが、今後の介護などを考えると経済的に余裕がないのはとても不安です」(34歳・会社員)
団塊の世代で、バブルを経験し、給料は右肩上がりだった親世代。「生活水準が下げられないようだ」という子ども世代の客観的な指摘が相次いでいます。
●若いころから金遣いが荒かった人は変わらない
「母はもともとお嬢様なので、浪費癖が抜けない。お嬢様時代の友人たちはもっと使っているらしく、自分は節約している方だという。祖父の遺産のほとんどを使い果たしてしまったらしいということがわかったときに、『親の遺産をあてにするな』と怒ってきた。それをあなたが言うか? とは思いました」(42歳・主婦)
「若いときから車好きで、取っ替え引っ替え購入してしまう義理の父。老後もその癖はおさまらず、今も気に入った車があると買ってしまう。いつ死ぬかわからないから…というので、義母も息子もなにも言えません」(43歳・パート)
●借金癖やパチンコ癖のある親
「義父が借金をよくつくります。義母が亡くなった時の保険金で返済したが、また繰り返しています」(44歳・主婦)
「義理の両親は、昔はかなり稼いでいたようで、今もパチンコなどにお金を出費しています。最近は自分のお金だけでは回らなくなってきているようなので、心配です」(37歳・主婦)
ほかにもスマホゲームに30万円の課金してしまった親や、子どもから仕送りをしてもらいながら高額なディナーショーに出かける親など、現役世代の子どもたちの金銭感覚とはだいぶズレを感じるエピソードが続々と寄せられました。
●自己破産した親は今も…
「親が数年前に自己破産しました。しかし、今でも金勘定がガバガバで見ていて不安になります。口出しをすると不機嫌になるのでどうすればよいかわからないです」(28歳・会社員)
一度、お金の失敗をしても、また繰り返してしまう。高齢だからこそ、治らない金銭感覚。お金の話題はお互いに切り出しにくいという声が多かった一方、入院や退職、離婚といった生活環境の変化をきっかけに話してみたら、思わぬ事態が発覚したというケースも。
●ローンを組みながら積み立てをすることが財テクだと思い込んでいた父親
「ある日、父が倒れて救急搬送されました。それまでお金の話を直接したことがありませんでしたが、保険などの関係を私が手続きすることになり、毎月の引き落としや支払い状況をの通帳を見ながら一緒に確認したところ、カードローンをしながらゆうちょや生命保険会社の積み立てをしていることが発覚。プラスになるのは、まだまだ数年先。すでに倒れているような状態で、これを財テクだと思い込んでいる感覚に、びっくりしました」(34歳・主婦)
●高額なスマホの契約をしていた両親
「母親が脳梗塞になって介護が必要になったことと、父親が定年退職したことがきっかけで、資産や保険について話し合いました。スマートフォンを購入する際に店員の言われるがまま必要のない機能やアプリが入ったものを契約されていて、携帯代金が高すぎていたので解約させたかったですが、知ったのが購入してから数週間たっていたのでなにもできませんでした」(29歳・主婦)
●見栄っ張りな父親が不動産を売って親戚にお金をばらまく
「最近、熟年離婚しそうなので話を聞きました。父親が自分の兄弟にいい顔がしたくて、別荘を勝手に売り払い、気がついたときにはお金はばらまいたあとでした。今回も東京にあった土地家を勝手に売り払いばらまこうとしたので、無理やり半額は母の口座に移しました」(49歳・主婦)
親のお金の問題を放置しておくと、詐欺や悪徳業者の被害に遭ってしまうことも…。引き続き実例をご紹介します。