体にいいと言われ、食事に取り入れる人も増えてきた雑穀。とはいえまだ「なにを選べばいいかわからない」「おいしくなさそう」と感じる人も多いはず。
そこで雑穀スーパーフードマイスターの高木沙織さんに、目的別の雑穀の選び方や、簡単な取り入れ方を教わりました。
家で雑穀米をおいしく炊く方法は?
●白米に雑穀INで栄養価UP
雑穀には、普段の食事では不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維、フィトケミカルが含まれます。いちばん簡単なのは、私たちが毎日食べている白米に雑穀をちょいたしすること。
最近の雑穀は白米にざざっとたして、浸水させて炊飯するだけ。簡単・手間いらずで取り入れられます。
仮に、朝食はしっかりと取れるけれど昼食と夕食が外食や総菜中心になりそうな日は、朝のうちに雑穀ご飯を食べておくと安心だったりもするでしょう。
●目的別・雑穀の選び方
ここでは、目的別に取り入れたい雑穀を紹介していきます。
<冷え・肌荒れが気になる>冷えが気になる人は、血行をよくするビタミンEを含む雑穀を取り入れてみましょう。
・キヌア
・アマランサス
また、こちらふたつの雑穀は皮膚の細胞の再生に関与するビタミンB2も豊富に含むので肌荒れ対策としてもオススメです。
<ダイエットが気になる>糖質はご飯やパン、麺、芋、果物、砂糖を使用したものに多く含まれる主要なエネルギー源。なのですが、摂りすぎると肥満や生活習慣病の原因になる恐れがあります。日頃から糖質の過剰な摂取は控え、糖質の代謝に働くビタミンB1を含む雑穀を意識的に取り入れましょう。
・あわ
・キヌア
加えて、糖質の吸収を緩やかにして食後血糖値の急上昇を抑える水溶性食物繊維を含む押し麦もよいですね。この雑穀は、便を柔らかくして腸を刺激し、便通を促す不溶性食物繊維もバランスよく含まれるので、便秘が気になる人も試してみてください。
<ミネラル不足が気になる>歯や骨をつくる、赤血球をつくる、細胞の生成・成長を促す、味覚を正常に保つ…などの役割をもつミネラル(ここではカルシウム、鉄、亜鉛)も食事からは不足しがち。
ミネラルが豊富な雑穀は、アマランサス。「仙人の穀物」とも呼ばれるほど驚異の栄養価を誇っています。
このほかにもさまざまな雑穀があるので、自分が必要とするもの・好きなものを見つけてみるのも楽しいと思いますよ。
●おいしく食べるには?
男性や子どもと比べると、女性の方が雑穀ご飯を取り入れやすい傾向にあります。もし、「雑穀はちょっと苦手」「おいしく感じない」「家族が食べてくれない」という人がいたら、次の方法を試してみてください。
(1)まずは小粒or白い雑穀から雑穀を食べ慣れていない人にとっては、粒の大きさや炊飯後の色味も気になるところでしょう。キヌアやアマランサスのような小粒の雑穀、麦類のような白色の雑穀から慣らしていってみてください。
(2)浸水は季節によって時間を変える米、雑穀をといだら浸水させる必要があります。これは、基本的にはどの雑穀を炊飯するときも同じです。浸水をしないと、雑穀が硬く食感が悪くなるうえに消化吸収も悪くなるからです。
夏場なら30分以上、冬場なら1時間以上、水に浸してから炊飯しましょう。
※水加減は米は通常量。雑穀の分は雑穀と同量もしくは1.5倍量の水で、慣れてきたら好みの硬さになるように調整してみてください。
1合の米・雑穀に対して、小さじ1/3弱の塩を加えて炊飯してみてください。雑穀のうま味が引き出されます。
(4)白米とのハーフ&ハーフも雑穀が苦手な人との食事では、雑穀ご飯は無理…。でもないのです。白米を炊飯器にセットしたら、洗って浸水済みの雑穀を端に落としてスイッチオン。白米だけの部分と、雑穀ご飯の部分、だいたい半分ずつに炊き上がります。
ただし、黒米のような色がつく雑穀を入れたり、風味の強い雑穀を入れたりすると白米にうつることもあるということ、アレルギーが原因で食べられないのであれば絶対におこなわないことを頭に入れておいてください。
以上、雑穀スーパーフードマイスターの資格を持つ筆者オススメの雑穀ライフをお伝えしました。雑穀は米売り場やインターネットショッピングでも購入できるので、チェックしてみて。
もちろん、雑穀ご飯だけを食べていればよいというわけではないのですが、栄養価を底上げしたり、バランスを整えたりするのに役立ってくれるのは間違いありません。年末年始に向けて忙しさが増したり、食事内容が手抜きになったりする今こそ、ぜひ参考にしてみてくださいね。