お墓の永代使用者に権利を確認。一方で「永代供養」という選択肢も…

奈緒さんのケース、いかがだったでしょうか。
今回は以下のような部分が問題点だったと言えます。

<問題点>

(1)お墓に特有のルールを知らなかった
(2)夫が義父と同じお墓に入れるのか事前に確認していなかった
(3)さまざまなお墓の種類があるのを知らない

このような問題点をクリアするには、どのようにしておけばよいでしょうか。

解決方法(1)そのお墓に、自身や大切な人の遺骨を納めることはできるのか? 条件を確認しておこう

お墓には、地方や宗派によってさまざまなルールが存在します。長男・長女は入れるが、次男・次女などはお墓の永代使用者の許可が必要な場合があります。

解決方法(2)お墓の永代使用者を確認して相談してみよう

もし条件的に難しい場合であっても、まったく可能性がないわけではありません。
お墓に関して定めた法律・墓地埋葬法によると「墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない」とあり、お墓の永代使用者との交渉次第で納骨することは可能です。

今回のケースでも「奈緒さんが夫の納骨を希望するお墓の永代使用者を改めて確認してみたら、手続きの不備で義兄ではなく義母になっていた」という場合が考えられます。その際はまだ夫の遺骨を納骨できる可能性があるといえるでしょう。

解決方法(3)最近出てきた「お墓にとらわれない供養のかたち」を知っておこう

墓地に建てる家族用のお墓は一般的に「家墓」と呼ばれ、土地の利用料や墓石建立費用で100万円以上に及ぶことも。
一方、近年では永代供養や海洋散骨、手元供養といった「家墓の形にとらわれない供養」が話題となっています。土地や墓石を購入する必要がないため、価格が20分の1程度に抑えられることも特徴的。選択肢の1つとしておくことがおすすめです。

ご両親が健在なことが多く、ご自身も精力的に生活する40代の方々にとって、「お墓」は関心事になりづらいかもしれません。しかし、急なお別れはだれにでも訪れる可能性のあるもの。困ったときにあなたを助けてくれるのは、こういった知識かもしれません。少しでも早めに知っておくことで、いざというときに備えてみませんか?