「人生の中心は、晩酌とおいしいものを食べること!」と語るのは、登録者数13万人を超えるYouTubeチャンネル「hibi hibi」で暮らしの工夫や料理動画を発信するasakoさん(40代)。ほっと息抜きできる夜ごはんのつくり方を、著書『hibi hibiの台所』より一部抜粋してご紹介します。

asakoさん宅のキッチン
夕食づくりも晩酌も、asakoさんにとってはリフレッシュの時間に。1日がんばったあとのごほうびタイムです
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食べたいものを食べることは人生を楽しくする

私の人生の中心は、晩酌とおいしいものを食べること! と、大げさですが、そう言わせてください。なんといっても夕食は心も体もくつろぐ大切な時間。その時間のために、毎日を過ごしているのです。日本酒からチリチリと出ている泡をながめながら、「あー、この日本酒、生きてる…」なんて“今ここ”の時間に心をとめていると、せわしなかった頭のなかも自然とほぐれていくんです。おつまみもメイン料理も、夫とふたりで、「これがおいしい」とか、「このお酒が合いそう」とか、たわいもないことをおしゃべりしながら、わが家の夜はまったりと更けていきます。

夕食のメイン料理は、朝ごはんの夫婦の会話で決まることが多いのですが、夜になって、そのときのおなか具合だったり、買い物に行って旬のお魚が手に入ったりして、朝の計画がパーになることも。また、料理をする気分も大切にしています。そのためにできるだけおなかをちゃんとすかせるように、夕食前は間食を抑えて抑えて。空腹に近い方が、感覚が研ぎ澄まされる気がするんです。すべては晩酌のため、楽しく食べるため。

空腹を感じていると、「今はお魚(お肉)が食べたいなあ」とか、「カラッと揚がった揚げ物がいい」とか、食べたいものが自然と浮かんでくるので、料理する気分も上々。自分の感覚に正直に、食べたいものを食べて味わうことは、シンプルに心も体も喜ぶことだと思います。人生を楽しくするのは、こんな小さなことかもしれない。

ヨーイドンで、夫婦それぞれ好きなものをつくり始める

調理中のasakoさん

晩酌の準備を始めるときが仕事終わりのタイミング。どちらからともなく台所にBOSEのミニスピーカーをセットしてクラシックを流す。夕食づくりスタートの合図です。メインは夫が、おつまみは私が担当します。夕食をつくり始めて、夫がメインを仕込んでいたら、私はジャマにならないようにお箸をセットしたり、お猪口を選んだり。猫たちにごはんをあげるのも忘れちゃいけない(これは夫の担当)。

お互いのジャマにならないように、好きなものをつくっていきます。毎日の晩さんを盛りあげるための共同作業。私が台所に立つときは、夫は冷蔵庫の在庫をチェックしながら、食材の整理整とんに夢中。私はなんでもポイッと冷蔵庫に入れてしまうので、それを直してくれているみたいです。いつもありがとう。

メイン料理は前もって決まっていますが、前菜のおつまみはできたときのお楽しみ。味がかぶらないように、「この調味料は使う?」と聞いたりしながら、それぞれ好きなものをつくる作業に没頭するのも楽しいひととき。五感を使って料理をしているうちに、デスクワークで疲れた頭もリフレッシュ。オリーブオイルを熱する香りや、トマトを切ったときのみずみずしい断面なんかを見ていると、素直に心が喜んでいるんです。

仕込みや準備が整ったら、前菜を並べて日本酒をセレクト。いよいよ晩酌のはじまり、はじまり。