ペットの柴犬の写真をX(旧Twitter)に投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている@inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。第80回は「天神崎にお出かけ」について。
すべての画像を見る(全11枚)犬と天神崎にお出かけ
パーキングエリアに立ち寄り、車から降りた瞬間暖かい陽気が肌に触れる。あまりの気持ちよさに佇むと背後から耳をピッ! と立てた犬がせかしてきた。今日は朝から母と犬と海にお出かけです。陽の光を浴びて、手入れされた花壇の花々がつやつやと咲いている。
母が提案してくれた和歌山県田辺市の天神崎に行くことに。母が車を運転し、後部座席に私と犬が座っている。高速道路を過ぎ、一般道に入る。市街地を過ぎると青い景色が広がった。天神崎へは犬と私、母も初めてなのだ。和歌山は広く、どこへ行くのも遠いので、いつも探検気分。
天神崎には平たい岩礁が広がっている。犬はリードを握る母の手をぐんぐん引っ張り、海にむかって進んでいく。少し慎重に歩く私に対して、犬は道筋を知っているかのように軽やかな足取りである。
母と犬の写真を撮ろうと「こっち向いてー!」と言うと、ふたりの視線が私に向けられた。シャッターをきると、犬がやけに勇ましくてまるで若大将だ。加山雄三の歌声が聞こえてくる。
大きな岩のもとでひと休みをする。犬もお水を飲んでからあたりのにおいをかいだり、歩いたりしてから私と母の間に座った。3つの背中が並んでいる。母の手が犬の頭から背中を優しくなでる。
海と加山雄三の親和性が高すぎるからか次は「君といつまでも」が思い出される。
さあ散策の再開だ。波打ち際に行くと、犬は波が足元に来ると退いたが、波が引いていくと追いかける。かわいいやろう。