大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの作品を紹介。ここでは、がんばる勤労猫の日常を描いたお仕事ギャグ漫画『吉沢猫』について語ります。
飼い主の代わりに猫が働く、お仕事ギャグ漫画
『吉沢猫』西村たまじ/著 講談社刊 (1)巻
失踪した飼い主・吉沢の代わりに会社で働く吉沢猫。人間社会のハラスメントに耐えながら、健気に吉沢を待ち続けて早5年。今日も今日とて社会の荒波にもまれながら、がんばる勤労猫の日常が繰り広げられる。

吉沢猫(1)(アフタヌーンKC)
猫好きにはたまらないエピソードが満載!
今月の推しは、日々働いている人は自然と共感できるコミックです。私は会社勤めはしたことがないのに、主人公のニャンコに軽やかなシンパシーを感じてしまいました。
ある日、人間の吉沢が「一週間で帰るから」と言い、生活空間をすべて飼い猫に託して失踪します。責任重大と知った猫は、吉沢猫として、飼い主が戻るまでその生活空間を全部引き継ぎます。「なんという健気さ…」というより「なんというシュールな展開!」。そう! これは、飼い猫が普通に会社勤めをしている様子を描いたコミックなのです。
とはいえ、猫の本能でときどき生き餌が欲しくなったり、人間がなで回す仕草を「ネコハラ」と訴えたり、擬人化した吉沢猫の行動にクスッとします。とにかく猫好きにはたまらないエピソードが満載で、現代社会の中で人間と猫の関係性を垣間見ることができます。読後には、思わず「吉沢! 早く帰ってやれよ」と心のなかで呟(つぶや)いてしまいました。