寒い時季は暖房機器の使用により、電気代も高くなります。しかし、ここ数年の物価高騰を受けて、少しでも電気の利用料金は節約したいもの…。今回は効率的に電気代を抑えるコツを、家電王こと、東京電力エナジーパートナー・お客さま営業部の中村剛さんに教えてもらいました。
すべての画像を見る(全3枚)節約のキモは「厚手のカーテン」
電気を多く使うのは、「つくり出す温度差が大きい」場合。つまり、冬場は外気温と快適な室温の差が夏場よりも大きいので、1年の中でも電気代が高くなりがちなタイミングです。
最近の酷暑の影響で夏場の冷房費も高くなっていますが、冬場は電気代がさらに高くなることを考えると、冬場こそ節電は心がけていきたいもの。まずは、どんなところに気をつければよいのでしょうか?
「じつは、季節を問わず、節電を心がけるうえで大切なのは『断熱性を高める』ことです。とくに『窓』は室内と室外との熱がもっとも多く出入りする場所。窓の断熱性を高めることで、室内の保温性を一定に保ち、エアコンなどで暖めた空気を逃さないようにできます」
●窓から伝わる「足元ひんやり」を防ぐ
電気代を節約するためには、まずは部屋の断熱性を高めることが重要。最近は住宅の断熱を高めるための補助金制度もありますが、リフォームをするのはなかなかハードルが高いかもですよね…。
「すごく簡単な対策方法は、厚手のカーテンを窓の下までしっかり垂れるように設置すること。窓から伝わってくる冷気はコールドドラフトと言って、床面に近いところを流れてくるので足元がひんやりしがちなのです。
これだけでも部屋の快適性を高められます。“暖房の熱を効率よく使うには厚手のカーテン”と覚えておけば、どんな住居でもだれもが気軽に部屋の快適性を高めて節約ができるのではないでしょうか。また、ホームセンターで売っているプチプチの断熱シートなどを使うのも同じような効果が得られます」
冬の暖房費は「エアコン」と「ストーブ」。どっちがおトク?
断熱性を高めると部屋が効率よく暖まることが分かったところで、気になるのは使用する「暖房器具」。エアコンとストーブのどちらが暖房費を抑えるのに有効なのでしょうか?
「結論から言うと、おトクなのは“エアコン”です。APF(通年エネルギー消費効率)という指標で、エアコン、電気ストーブやヒーター、都市ガス、灯油の4つを比較してみると、電気ストーブやヒーターが“1”とすると、エアコンは“4.9”という数値に相当します。APFは数値が高いほどランニングコストがいいとされているので、なんと5倍近くのコストのよさがありますよ。
なぜかというと、エアコンは「ヒートポンプ」という空気中の熱を集めて移動させる仕組みを使っています。そのため、消費した電力を“1”とすると3~7倍もの熱エネルギーを室内で得ることができる。エアコンは暖房機器のなかで、もっとも効率よく部屋全体を暖めてくれます。とはいえ、つけっぱなしにしておくともちろん料金はかかるので、30分以上外出する場合は、切るようにましょう」
また、中村さんによると、エアコンを購入する際もこの「APF」に注目して選ぶのがおすすめ。数値が高いものを選ぶほど、省エネ&節約につながります。
「もちろん、その分高価にはなりますが、最近では補助金を出している行政もあります。高価なエアコンを買うのは少しハードルが高いかもしれませんが、思いきっていいものを買った方が、結果的にはお財布の味方になります」