一級建築士として活躍している田中ナオミさん(61歳)。夫とふたりで暮らす、家事効率を考えた住まいや「毎日忙しいけれど楽しい」と話すライフスタイルが注目を集めています。ここでは、田中さんが実践している、出し入れしやすい収納の工夫について紹介します。
すべての画像を見る(全4枚)次に使うことを考えて収納の仕方を工夫する
私が考える、出し入れしやすい収納のポイントは以下です。
・アクション数(手数)が少ない
・詰め込みすぎずゆとりを残す
・棚の奥まで見渡せる、手が入る
・収納グッズが上手く機能している
・まんべんなく使える
よく収納グッズを先に買いそろえ、それに合わせてものを詰めこんでいく人がいますが、収納グッズはものに合わせて必要なところに必要なサイズのグッズを選ぶ、これが基本です。100円ショップでたくさん購入して棚にきっちりはめ込んだのはいいけれど、実際は使いきれていないこともよくあります。使えないグッズは場所を取るゴミと同じです。
たとえばわが家では、毎日出番のある普段使いのグラスやカップ類を取り出しやすい下段に。空きビンや小鉢、来客用のポット類は2段目に。来客用のお椀など使用頻度が低いものは、背伸びをしないと届かない3段目。あまり出番のない道具類は、踏み台が必要な上段へ。
重くて場所を取るお米のストックは、いちばん下の米びつの横へ。隙間に寝かして収納すると場所を取らずスマートです。
仕切りは布や不安定なもの、形が不ぞろいなものに使い、仕切りの中も一目瞭然に。中がパンパンでは出し入れしにくいので物量を減らすことも忘れずに。
また、一度収納すると手前のものに手が伸びがちですが、定期的に回して使用頻度を均一にするのがおすすめです。ストック食材の買いたしたものを奥へ、古いものを前に出すのと同じで、私は「フレッシュローテーション」と呼んでいます。
たとえば毎日使うふきんやタオルなら、洗った順に使い回せるように洗濯したものを奥へしまっていくのが望ましい。ぐるぐる回してまんべんなく使うことで持ちがよくなり、置き場所も清潔に保てて一石二鳥です。