一級建築士として活躍している田中ナオミさん(61歳)。夫とふたりで暮らす、家事効率を考えた住まいや「毎日忙しいけれど楽しい」と話すライフスタイルが注目を集めています。ここでは、田中さんが実践している、キッチンを「見える化」し、時短につながる収納をつくるコツについて紹介します。
すべての画像を見る(全5枚)キッチンは「見える化」で道具を探す時間をなくす
住宅の中でもさまざまな道具を使いながら作業をするキッチンは、とくに「見える」ことを重視したい場所。配置と収納の仕方で作業効率が変わるので、見えることは時短の一歩になります。
料理をしているときに「ものを探す」と流れが止まるので、キッチン内は適材適所を徹底します。さらに「見える化」をはかれば、手を動かしながら次に使う道具を確認できるうえ、調味料などの在庫管理もラクになります。
わが家のキッチンはシンク、作業台、コンロ(下にオーブン)が1列に並んだアイランド型。後ろに冷蔵庫、大工さんが造った棚を設置して、次のように道具を収納しています。
シンク周り:下ごしらえ、鍋類、掃除道具など
作業台周り:まな板、包丁、小さい調理道具、カトラリー、調味料類など
コンロ周り:加熱調理に必要な道具(へら、トング、菜箸、スパイスなど)
棚:食器、保存容器、ふきんなどの布物、乾物、ストック食材など
たとえば野菜をゆでる場合は、シンクで洗う・鍋に水を入れる→鍋を火にかける→作業台で野菜を切る→鍋に野菜を入れてゆでると、横移動で完結。それぞれのスペースにある必要な道具をパッと取り出し、器を取るときは腰をひねるだけで後ろの棚に手が届くので、流れるように作業が進みます。
「決まりごとの見える化」も有効です。献立や食材の買いたしリストを貼って共有したり、また洗い物やワインの在庫チェックの係を決めたり、共有・分担を見えるようにしておくと、ワンオペ家事の負担が軽くなります。