年末はその年を振り返るために、ほっとする時間が欲しいもの。庭の枯れ枝を使って、焚き火をしたという、作家・作詞家の高橋久美子さん。心温まる体験についてつづってくれました。
すべての画像を見る(全6枚)たまった薪の数々、捨てるにはもったいない
家の庭にこんもりと、薪がたまっていた。愛媛での話ではない。東京の一軒家(賃貸です!)での話である。キャンプファイヤーができそうなくらいの薪の量になっていた。
この連載でも度々登場してくる、ユーカリやミモザの木4本がどんどん大きくなって、二階の屋根に到達するほどだった。隣の家にまで伸びていくので、そのつど、ノコギリでえんやこらえんやこらと太い枝を切っていた。
「薪は、なにかあったときのために少しはとっておこう」
と夫と話して、かれこれ2年。いくらなんでも多すぎる。切っても切ってもいくらでも伸びるんよ。
「これ、そろそろ捨てたほうがいいんじゃない?」
ということになってくる。もちろん細かい枝葉は捨ててきた。でもな、太い枝となるとノコギリで切ってゴミ袋に入れて少しずつ捨てる? いや、もはやそんな量ではないから造園屋さんに頼む?
うーん。どちらもちょっと寂しく思えるのだ。こいつらを燃やしてやりたいなあ、という気持ちがむくむく湧いてくる。そうだよ、燃料として最後まで活躍してもらおう。
薪を使って焚き火をしよう!
私は、都内で焚き火ができる場所を探した。キャンプブームなのだから、きっと電車でいける範囲にもあるに違いない! しばし見てみるも、炭火はOKだけれど、直火はNGというところばかり。そりゃそうよなあ。東京だもんなあ。
諦めずに探していたら、ありました! 直火が大丈夫な場所! 大田区が運営している平和島公園のキャンプ場だ。ここに行こう! 大田区の「うぐいすネット」への登録が、対面のみだったので、行政機関へも行ってきた。ネットで簡単登録でないところが、逆に安心感があるなと思った。
さっそくあいている日程を探すが、やはり土日は全部埋まってしまっていた。平日の昼間に焚き火をできそうな友人に連絡をしてみる。
「いいな! やろうやろう! 鶏肉とかウインナーもっていく!」
「私はスモアやってみたいのよー。おやつ部門担当する」
「ああ! あれな、マシュマロとかチョコをビスケットにサンドするやつ。憧れてたー」
友人がフライパンやミルクパンももってきてくれることになった。
私は、焼きイモがしたいから、サツマイモとカボチャ持って行こ、あと薪な。
薪を背負える大きさにノコギリで切る。海外旅用の、でっかいバックパックに詰めていく。枝はどれも湾曲しているので意外と隙間なく入れるのが難しかった。イケアのでっかい袋にもどんどこ入れる。
うお、重い!! 二宮金次郎だね。