豆は低脂肪・高タンパクで、ビタミンやミネラル、食物繊維などの不足しがちな栄養もチャージできる優秀な食材だってご存じでしたか? そんな豆の魅力を紹介する連載の2回目は、人気料理家・ワタナベマキさんに、年末年始にごちそうを食べた胃腸にもやさしい豆レシピ3品(参鶏湯風、ポタージュ、きんちゃく煮)を教えてもらいました。
食べすぎた後の胃の疲れには、やさしい豆料理がいい
「ちょっと体調がすぐれないときや食べ疲れたなというときには、温かい豆料理がぴったり。脂質がほとんどなく、お腹にたまるし、タンパク質などの栄養も豊富です」(ワタナベマキさん)
●なぜ豆料理がお腹にやさしいの?
豆には、さまざまな栄養素が含まれています。食物繊維がお腹の中をきれいにしてくれるほか、食べると健康になれる要素がいっぱい!
【豆の魅力】
・サツマイモより多い食物繊維
・カルシウム、鉄などミネラルの宝庫
・生活習慣病対策に役立つポリフェノールもたっぷり
・低脂肪・高タンパクでダイエットにおすすめ
参照:日本豆類協会HP
ワタナベマキさん考案! 簡単につくれるお腹にやさしい豆レシピ3品
年末年始、ごちそうを食べすぎてしまったという方にぴったり。ササッとつくれるヘルシー豆レシピ3品を、ワタナベマキさんに教えてもらいました。
●虎豆とたたきレンコンの参鶏湯風
鶏肉のうま味たっぷりのスープに、豆を加えて栄養価アップ。レンコンは切るだけではなく、たたくことで味しみがよくなり、スープにほどよいとろみがつきます。
★使う豆はコレ!
<虎豆>
「インゲン豆」の一種で、独特の模様が特徴。やわらかくて火が通りやすく、煮豆に適しています。
「虎豆は、なんといっても見た目がかわいい! 皮が薄くて口に残らず、甘味もあって大好きな豆です」(ワタナベマキさん)
【材料(4人分)】
- 虎豆※(ゆでたもの)200g
- 鶏手羽元 8本
- 鶏モモ肉 1枚(350g)
- 長ネギ 1と1/4本
- レンコン 250g
- ショウガ 2片分
- ニンニク(つぶす) 1片分
- 塩 小さじ1
- ゴマ(白) 小さじ2
- 酒 100mL
※金時豆、あずきなどでも可
【つくり方】
(1) 長ネギ1本分は5cm長さのぶつ切りに、1/4本分は小口切りにする。レンコンはよく洗って皮つきのまま大きめに切り、麺棒などでたたく。ショウガは1片分は皮つきの薄切りに、1片分はすりおろす。
(2) 鶏モモ肉は6等分に切る。鍋にたっぷりの湯を沸かし、鶏モモ肉と手羽元を入れてひと煮立ちさせる。ザルに上げて水気をふく。
(3) 鍋にぶつ切りの長ネギ、レンコン、(2)、ニンニク、ショウガの薄切り、虎豆を順に入れ、酒、水1.2L(分量外)を加えて中火にかける。煮立ったらアクをすくって弱火にし、フタをしてときどき混ぜながら25分ほど煮る。
(4) 塩で味をととのえ、器に盛る。小口切りにした長ネギ、おろしショウガをのせ、ゴマをふる。
★ポイント
水に材料を入れてただ煮るだけだから簡単。虎豆にも鶏肉のうま味がしみこみます。
●ひよこ豆とカボチャのポタージュ
カボチャもひよこ豆も、煮ると甘く、ほっくりとした食感になります。似たものどうしの2つの食材を疲れた体にうれしいポタージュスープに仕立てました。
★使う豆はコレ!
<ひよこ豆>
ひよこに似た形が名前の由来。火を通すとホクホクした食感で、海外でも煮こみ料理やカレーなどによく使われる品種です。
「とろりとしたポタージュが、体を中から温めてくれます。ひよこ豆のタンパク質がとれるので、カボチャだけでつくるよりも断然おすすめ!」(ワタナベマキさん)
【材料(4人分)】
- ひよこ豆(ゆでたもの)150g
- カボチャ (300g)
- タマネギ 1/2個(100g)
- バター 20g
- ローリエ 2枚
- 酒 50mL
- だし汁 400mL
- 牛乳 150~200mL
- オリーブオイル 小さじ2
- 塩 小さじ1
- 粗びき黒コショウ 少々
【つくり方】
(1) カボチャはところどころ皮をむき、約3cm角に切る。タマネギは粗みじん切りにする。
(2) 鍋にバター10gとオリーブオイルを入れて中火にかけ、バターが溶けたら(1)、ひよこ豆、ローリエを加えてタマネギが透き通るまで炒める。
(3) 酒、だし汁、塩を加えてひと煮立ちさせ、アクが出たらすくう。フタをして弱めの中火で15分ほど煮る。
(4) 火を止めてローリエを取り出す。牛乳を加え、ミキサー(またはハンドブレンダー)でなめらかになるまで撹拌する。
(5) 再び弱火にかけ、残りのバターを加える。混ぜながら温め、煮立つ直前で火を止める。器に盛り、粗く刻んだひよこ豆適量(ゆでたもの・分量外)、コショウをふる。
★ポイント
カボチャがほろりとくずれ、ひよこ豆の皮が自然にむけるくらいまで煮てからミキサーにかけます。
●あずき入り鶏だんごのきんちゃく煮
油揚げに鶏ひき肉を詰めてさっと煮た、やさしい味わいのおかず。あずきとひじきをプラスすれば、栄養満点です。
★使う豆はコレ!
<あずき>
赤飯、あん、汁粉、和菓子づくりに欠かせない豆。料理との相性もよく、和洋中どんな味つけにも合います。
「お揚げにしみただしがしみじみおいしい一品です。あずきの風味がアクセントになります」(ワタナベマキさん)
【材料(4人分)】
- あずき(ゆでたもの)100g
- 鶏ひき肉 200g
- 油揚げ 4枚
- 芽ひじき 10g
- A[しょうゆ小さじ2 塩小さじ1/3 片栗粉大さじ1 酒小さじ2]
- B[ショウガ(すりおろす)1片分 だし汁600mL 酒、みりん各大さじ2]
- しょうゆ 大さじ1
- 塩 小さじ2/3
- 水菜 150g
【つくり方】
(1) 油揚げは上から麺棒などを少し押しつけながら転がし、半分に切る。沸騰した湯に入れて1分30秒ほどゆでてザルに上げ、水気をきってから開く。
(2) 芽ひじきはさっと洗い、かぶるくらいの水に8分浸してザルに上げ、水気を絞る。
(3) ボウルに鶏ひき肉を入れ、(2)、A、あずきを加えてよく混ぜる。
(4) (1)に8等分にした(3)を詰め、口をつま楊枝で縫うようにして閉じる。
(5) 鍋にB、(4)を入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせる。しょうゆ、塩を加え、落としぶたをして弱めの中火で12分ほど煮る。
(6) 水菜を食べやすい長さに切り、(5)に加えてさっと煮る。
★ポイント
肉だねにあずきを加えて。粒が小さいのでひき肉とよくなじみます。
●レシピで使った豆を50名にプレゼント
「虎豆、ひよこ豆、小豆」のセットを抽選でプレゼントします。
応募締めきりは2025年2月11日(土)。
問い合わせ先/日本豆類協会 ☎03-6268-8627 https://www.mame.or.jp/