中学受験を間近にひかえた6年生で気をつけたいのがメンタルブレイクです。「メンタルブレイクを避けるには親の協力と判断が不可欠です」と話すのは、元中学受験塾講師で受験真っ最中の小学6年生の子どもを持つ天海ハルカさん。天海さんが実践している、子どものメンタルブレイク防止法を教えてもらいました。

落ち込んでいる子ども
突然受験をやめたいと言い出したら…(※画像はイメージです)
すべての画像を見る(全4枚)

中学受験で起こる「メンタルブレイク」とは?

中学受験におけるメンタルブレイクとは、精神的に不安定になり、勉強や生活に支障が出ることを言います。

不眠や食欲不振などは目に見える異変なので気づきやすいでしょう。メンタル面では、勉強への意欲が急に下がり、まったく手がつかなくなってしまうこともあります。また、発作的に中学受験自体をやめたいと言う可能性も。

メンタルブレイクは積み重なったストレスが爆発したようなものです。突然メンタルブレイクすることは少なく、多くの場合イライラを外に向けたり、塾へ行き渋ったりするなどの兆候が表れます。

子どもがメンタルブレイクに陥らないよう、兆候が見えたら早めに対処してあげたいですね。

メンタルブレイクを防ぐためにやっていること

高学年の子はそもそも反抗期を迎える子も多く、素直に気持ちを話してくれない、物言いや口調がきつい、言っていることがコロコロ変わるといったことは珍しくありません。

受験勉強のストレスと精神的な成長から、今まではなんともなかったことで突然パニック状態に陥ることも。

たまったストレスを適度に発散させ、メンタルブレイクを未然に防ぐために私が実践しているのは以下の5つです。

1:リフレッシュタイムを設ける

ケーキを見せる小学生
※画像はイメージです

ストレスというのは、毎日の勉強を当たり前にこなしているだけでも少しずつたまっていきます。ストレスゼロの受験勉強というのはなかなか難しいと思います。

そのうえ塾や勉強のために、友だちと遊んだり家族で出かけたりという機会も減っていることでしょう。ストレスがたまるのは仕方ないことなので、適度にガス抜きできるリフレッシュタイムをつくりたいものです。

わが家の場合は娘の好きな物を食べに行く、読みたい本を買う、のんびり買い物をするなどですね。午前中に模擬試験があるときは、テスト後の昼食を娘の好きなものにすると決めています。

本当ならテーマパークや旅行がよいのですが、毎日忙しくリフレッシュに取れる時間は多くありません。そのため短い時間でできることが中心になるが、「好きなものを自分で選ぶ」ことは楽しいようで、よい笑顔を見せてくれています。

2:簡単な問題を解く

過去問などで点数が取れないことが続くと、自信がすり減ってしまいます。勉強でうまくいかない、点数がとれないことが続くようなら、あえて簡単な問題をスケジュールに組み込むようにしています。

簡単といっても、小学1年生の足し算引き算ということではありません。間違えるとしても「分からないから」ではなく、「忘れたから・ミスしたから」で済むタイプの問題がよいですね。小数や分数を含む基本的な計算問題や、過去に解いた漢字問題などがおすすめです。

すり減った自信を回復させ、基礎力を底上げして、また難問や苦手な問題に取り組ませています。