日々の暮らしを綴るVlogが人気を博し、自身のYouTubeチャンネル「hibi hibi」の登録者数は13万人を超える、デザイナーのasakoさん。季節の手仕事や家事の様子を紹介するVlogからは、おだやかに、丁寧に暮らしを楽しむ人柄がうかがえますが、じつはかつては「『なにをしても幸せになれない』という焦りでいっぱい」で、「自分の人生を心底楽しめていなかった」のだといいます。自分の心と向き合い、習慣や住まいを整えたことで、考え方にどのような変化が起きたのか…。今回は、「習慣化」についてお伺いしました。

asakoさん
YouTube「hibi hibi」が人気のデザイナー、asakoさん
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「やらなきゃ」というストレスは「習慣化」することでさよならできる

・キッチンのガスコンロ回りはピカッとさせておく

・トイレは便器と床をサッと掃除しておく

・玄関のたたきは、掃き掃除のあとにふき上げる

・寝具は乾燥機でふかふかにしておく

これは自分が心地よく生きるために「これだけはしておきたい」と思う家事のマイルール。この4つを毎日の家事ルーティンに組み込み、日々の心地よさを保っているのですが、このルールをつくったのには、きっかけがあるのです。

それは、収入の安定のためにデータ作成の下請けをしていたときのこと。たまたま教習所通いも重なってしまい、とにかく時間がありませんでした。それを言い訳に、家中の掃除を放置し、生活も乱れ放題。そんな日々を過ごしていると、なにもかもがイヤになって、ある日突然、汚れていたキッチンの掃除をしたくなりました。

とくにひどかったのはレンジフード。なんでこんなに放置していたんだろうというくらい油でギトギトしていて、目をつぶりたくなる状況だったのですが、ほんの試しにセスキ炭酸水をスプレーしてみたら…。なんと、油汚れがスルスルと落ちていくではないですか! しかも、汚れとともに自分の心も洗われるようで。「ひょっとして、掃除ってすごく気持ちいい…!?」と、ハマってしまったのです。

その日から仕事の合間に少しずつ、キッチンのふき掃除を始めました。手首は疲れるし、上のほうの掃除は首が痛くなるけれど、とにかく夢中で。脚立に乗って汚れを落としながら、仕事の修正の電話を受けていた日もありました。1週間くらいかかったでしょうか。すべての油汚れを落とし終えた日は、こころからの歓喜。「わが家のレンジフードってこんな色だったんだね」というほどに、見違えました。

その光景は私の心とも通じていて。久しぶりにピッカーンと気持ちが晴れました。きれいになった環境が気持ちいいというのはもちろんなのですが、頭の中に「きれいにしなきゃ」といったような、棚上げしている問題がないのが、爽快だったのですよね。

以降、わたしの日々の歯車に「家事」がカチッと加わりました。義務感からではありません。わたしのこころがすっきりしていられるように。家事を「毎日すること」として習慣化してしまえば、「やらなきゃ」といったストレスを抱えずにすみますから。

「やらなきゃ」のストレスを手放すための日々の習慣

家事のルーティンを決めて習慣化するのは、「やらなきゃ」という負担を解消するためには有効な方法。asakoさんが実践している、負担を手放すための日々の習慣を伺いました。

●(1)「やらなきゃ」をノートに書き出す

ノート

やらなくてはいけないことはもちろん、やりたいこともいったんノートに。リスト化することで、自由度が奪われてしまうように感じる人もいるかもしれませんが、私の場合は逆。気がかりが頭の中にあるのがストレスになるので、紙に書き出して気持ちの負担を手放しています。実行するのは、時間があいたとき(急ぎの案件以外)。完了したら、その案件の上に線を引き、達成感を味わっています。

今までに使ったノートは20冊以上

今までに使ったノートは20冊以上。古いものから処分していますが、見返すことがありそうなノートは本棚に保管しています。

●(2)家事は「リズム」として体に認識させる

ホウキ

「家事をしなくちゃ」という気負いが気持ちの負担となり、ますますイヤになってしまう毎日の家事。そこで、ある作戦を立てました。それは「面倒だと思う隙を与えない」というもの。朝起きたら顔を洗うような“なんでもない感じ”で家事をできるように、毎日同じ動作を繰り返して、体で覚えることにしたのです。おかげで、今ではとってもラク。リズムが体に染みついていますから。

ホウキをかける

ホウキは寝室近くの廊下が定位置。なるべく効率よく自然な流れで掃除できるよう、洗面所、キッチン、リビングダイニング、仕事部屋の順に掃くように体で覚えました。