6月に旬になる梅。梅を漬けたりした人もいるのではないでしょうか。毎年梅仕事に精を出しているのは、作家・作詞家として活躍する高橋久美子さん。今年もエッセイに梅シロップのつくり方を教えてくれましたが、今回はその梅を干す「梅干し」のやり方について語ってくれました。

高橋久美子さん
高橋久美子さん
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猛暑日は梅を干す絶好のチャンス

梅シロップ
たくさん漬けた梅たち

6月には、梅干しや梅シロップの話をたくさん書きましたが、あの梅たちは元気にしておるでしょうか。梅シロップはもう飲んでしまったという方も多いと思いますが、梅干しはどうでしょう。干すから“梅干し”と言うわけですが、まだ干してないという方もいるかもしれません。

一年でいちばん暑い夏の土用(7月19〜8月6日)に梅を干すのがベストなようですが、今年なんてこの先もまだまだ暑いでしょうから、9月末頃まで可能だと思いますよ。あまり気張らずにトライしてみてください。

梅干し
今年も盛大に干しています

梅を干すときのポイントをいくつか紹介します。

・ステンレスや鉄製のザルを使わない(梅の酸でサビが出てしまいます)

・天気予報をチェックして、雨が3日連続して降らない日にする

・梅酢や赤シソは捨てない

・究極、干さなくてもいいです

最後の、干さなくていいというのは、これは本当の話で、梅干しではなく、梅漬けとして食べればいいのです。炎天下での作業は大変だし、私的には梅漬けの方がおいしいと思っています。ただ、梅干しの利点は何年でも保存できること。干してない梅はなるべく一年以内に食べるほうがいいでしょうね。

高橋家の梅の干し方

梅干しを干す

梅は干すと、日光消毒ができるし梅の中身の水分も飛ぶのでより腐敗しにくくなります。うちは、かなり塩分低めて漬けていますが、干した梅は何年常温で置いていても、今のところ平気です(※)。さらに、干した方が味もマイルドになるとも思います。

※ 個人の経験談です

でも、逆に、あの生の梅の芳しい香りも一緒に飛んでしまうので、保存用は干す、すぐ食べる用は干さない、と分けています。

金のザルを使って干してしまって、サビが出てしまったという友人がいました。そうなんです、梅干しは酸と塩の塊なので鉄制のザルは使えません。プラスチックのザルもやめておいた方がいいでしょう。竹ザルで干すのが一番ですが、私は毎年すごい量を干すので、ゴザとか、スダレを洗濯干しの上に広げてそこに並べています。

並べる前に、一度ザルに上げて、よくよく梅酢をきりましょう。(短時間ならプラスチックのザルを使ってもいいと思います)でないと、ベランダが梅酢でびたびたになる上、乾くのに時間がかかります。

私は炎天下で2〜3日干しっぱなしです。量が多いので夜間に取り込むのが難しいのです。

最近はゲリラ雨がくるときもあるので、なるべく屋根のあるのがいいけど、私の家のベランダには屋根がありません。これで5年以上やってきているので、なんとかなるでしょう。

一日したらひっくり返しますが、完熟梅で漬けているので皮が破れて中身が出てしまったりと手間がかかります。破れそうなときは、手の先に梅酢をつけてくっついてしまった梅を少し柔らかくして返すといいですよ。今年は忙しかったのでひっくり返さず、二日間干しっぱなしで終えました。夜か朝露の降りる時間帯になると少ししんなりして、皮が破れにくいのでその時間に取り込みました。破れてしまった梅は別にしておき、早めに食べます。

梅酢は取っておいて、干した梅をまたそこへ戻します。戻さない派の方もいますが、戻した方がジューシーだし塩分も下がり、私は好きです。