夏休みが始まって小学生の給食がなくなる季節、毎日の子どものお弁当に頭を悩ませることも 。そこで、栄養カウンセラーの山下みほこさんに「栄養満点で子どもの満足度も高いお弁当をつくるコツ」を伺いました。入れるだけで栄養価がアップする身近な食材や、罪悪感の少ない市販品、時短ワザを紹介します。

ゴマと鰹節
時短でも栄養満点なお弁当にするために欠かせないゴマとカツオ節
すべての画像を見る(全4枚)

お弁当の万能食材は「ゴマ」と「カツオ節」

忙しい朝にお弁当をつくるのは大変ですが、手抜きをしすぎると夏休みの給食がない時期に栄養が偏らないか心配になることもあります。時短で、手軽に栄養価をアップするにはどうすればいいでしょうか。

「ゴマやカツオ節を活用することをおすすめします。とくにカツオ節は栄養爆弾と言われており、ただご飯にかけるだけでもおいしく食べられます。カツオ節やゴマをしょうゆや塩などの塩味と合わせれば、おかずやおにぎり、温野菜にかけてもOKで。手軽に取り入れられるうえに栄養価を爆上げできる、万能食材です」

野菜より「糖質」「脂質」「タンパク質」を意識

栄養のバランスを考えたとき、野菜を入れるといいと思いがちですが、山下さんが重視しているのはエネルギーをつくる3大栄養素である「糖質」「脂質」「タンパク質」。

「基本的には、子どものお弁当ではエネルギー補給のためにしっかりとカロリーをとることが優先です。そのうえで、野菜は前日につくった野菜炒めをお弁当に入れたり、おにぎりに混ぜたりすることもおすすめです」

お箸を使わずに手軽に食べることができるおにぎりは子どもにも大人気ですが、おにぎりの具に栄養のあるものを入れることで、おかずなしでも満足できるお弁当をつくることができるそうです。

「たとえば、刻んだコマツナと豚ひき肉を油で炒めて、カツオ節やゴマを入れ、砂糖大さじ1、みりん大さじ1、酒大さじ1、しょうゆ大さじ2で味つけしたものを常備菜としてつくっておいて、おにぎりの中に入れるだけで栄養満点です。面倒なときは、ご飯の上に載せるだけでおいしく食べられます。また、具はキンピラやニンジンシリシリなどでもOK。夕飯におかずを多めにつくっておいて、お弁当用に取り分けて冷凍しておくこともおすすめです」

アイラップを使えば火を使わない卵焼きも簡単

アイラップと卵と豆腐

夏の朝は極力電子レンジのみで調理を済ませたいことも。卵焼きはレンチン可能なアイラップでつくる手もあります。

「アイラップに卵2個、絹豆腐約100g、白だし大さじ1、みりん大さじ1を入れて袋の外から豆腐を潰しながら混ぜ、深さのある容器に入れて、600Wで4分加熱します。あとは粗熱が冷めるまで放置して切って入れるだけ。切るときは真ん中から切って、半生の場合は加熱時間を追加するとおいしくできます」

市販品を使うことに罪悪感を覚えなくていい

また、火を使わずに済む市販品も便利ですが、少し罪悪感を覚えることもあります。

「手づくりのお弁当は理想的ですが、冷凍食品など市販品の多いお弁当でも栄養を摂取することがなによりも大切です。子どもが元気でいるためにはエネルギー補給がしっかりできていることが大前提。まずは食べることを優先し、市販品でも適切な栄養を確保しましょう」

山下さんも市販品を活用してお弁当をつくることもあるそう。

「石井食品の『ミートボール』・『とりそぼろ』・『有明鶏のかしわめし』、はごろもフーズの『さばで健康』も、素材がよくスーパーなどで手に入りやすい食品なのでおすすめです。また、ヤマキの『けずり粉』は、おにぎりに混ぜたり野菜にかけるだけでも栄養価がアップするので重宝しています」