スーパーに行くとどの食材も高い…。食費に頭を悩ませている人も多いでしょう。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、今後値上げするであろう食品と、自身が実践する節約のコツについて教えてくれました。

食品値上げに悲鳴を上げる女性
食材を買いに行くとどれも高い…ここ数年頭を悩ませる人も多いのでは(※写真はイメージです)
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2024年はまだまだ食品が値上げされる可能性が高い

2024年に入り、落ち着いていた食料品の価格ですが、この4月には2830品目もの値上げが実施され、今秋にも比較的大きな値上げがあるのではないかと予測がされています。

食料品の値上げの要因には、「原材料価格の上昇」「エネルギー価格の上昇」「包装資材の高騰」「物流費の上昇」「円安」「人件費の上昇」などさまざまです。これら複数の要因が重なりながら、値上げが続いています。

オリーブオイルやゴマ、のり、カカオ豆など、猛暑や干ばつなど天候不順を要因とした不作なども重なっています。これらの多くは海外から輸入されるものも多く、1ドル150円前後の円安水準も輸入コストをさらに押し上げています。こういった農作物は収穫までに時間がかかるため、今後しばらくは値上がりは免れないでしょう。また、今年の秋ごろには円安を反映した値上げラッシュの発生も想定されており、今からでも見直しと、対策をしておきたいところですね。

値上げ傾向のある食品とそのやりくり方法

2024年4月の値上げは、ハム、ソーセージといった加工肉や、冷凍食品といった加工食品が2077品目を占めていました。次いで値上げが多かったものは、調味料で369品目、だし製品を中心に、トマトケチャップ、唐辛子など香辛料、ほかには酒類・飲料で、287品目、ウイスキーなどの洋酒、トマトジュース、インスタントコーヒーなどでした。これら加工度合いの高い食品は、値上げになりやすいため、対策を取ることが大切です。

●冷凍食品や加工食品はなるべく自分でつくる

冷凍食品
※写真はイメージです

多少手間はかかりますが、冷凍食品に関しては、野菜や肉といった原材料となる食材を購入して、自身で下味をつけてから冷凍するというやりくりもできます。ほかにも、キンピラゴボウやひじき煮といった水分が少ないお惣菜も冷凍することができます。お弁当用に、小分けして冷凍しておくと便利ではないでしょうか。

ハムやソーセージといった加工肉はお弁当の友でもありストックしておくとなにかと便利な食品ですね。でもこれらもしっかり値上がりしている品目なので、比較的安価に手に入る鶏むね肉を使った、鶏ハムを自作するのも一案でしょう。ベーコンを手づくりするのはなかなか難しいので、豚バラスライスとマジックソルトで焼くなどアイデアはいろいろあります。

●酒やお菓子などの嗜好品は予算が余ったら買う

お酒やジュースと言った飲料やお菓子は、値上げが続いている品目です。これら嗜好品を優先して買ってしまうと食費が増える要因になります。予算内でやりくりするためにも、自炊に必要な食材から購入するようにしましょう。

節約をするのであれば、嗜好品を習慣化させないことも大切です。どうしてもお菓子が食べたいときは、家にあるもので手づくりしたり、外で飲み物を買わずに日ごろから水筒を持ち歩くようにするのも手です。当たり前のことを、習慣化させるだけで、特別なことをする必要はないですし、小さいことから始めてみてください。

●調味料は安いメーカーなどを検討してみる

調味料を選ぶ女性
※写真はイメージです

調味料も各社が値上げをしています。もしも、こだわりがなければプライベートブランド(PB)商品にきり替えると比較的安価に購入することができます。PBとはいえ、製造元は大手もしくはそれに近い企業であることがほとんどです。商品によっては、製造元が記載されていますので、チェックは必須です。

個人的な失敗談なのですが、安さにつられて買ったマヨネーズのような調味料が、びっくりするほどおいしくなくて、泣く泣く処分したことがありました。親しみのあるメーカーのものを買った方が結局はムダがないとも言えます。それらをおトクに買うには、特売日や特定の日に5%割引になる日を狙ってみてもいいでしょう。

●オリーブオイルやサラダ油などはこだわりがあるメーカーなら続けても

ここ数年で、大幅に値上がりしているのがオリーブオイル。恐らくここ数年で倍近い値段になったのではないでしょうか。エキストラバージンオリーブオイルのように味わい深く、独特の風味を楽しむものは、なかなか替えが見つからないでしょう。こだわりがあるなら、多少高くてもお気に入りのものを使ったほうがストレスなく、ムダなものを買うことともないかもしれませんね。

とくに、健康を考えている人であれば、優先するべきことは優先して、やりくりしてみてはいかがでしょうか。