一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる女優・川上麻衣子さん(58歳)。猫との暮らしや出生の地であるスウェーデンで学んだこと、50代以降に感じる思い、暮らしの知恵などを発信し人気です。今回はここ数年心惹かれる、古き良き「神社」の魅力について、年に一度訪れる伊勢神宮での体験を語ります。

猫とフィーカ
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フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと

年齢を重ね、歴史ある「神社」に惹かれる理由

川上麻衣子さん
川上麻衣子さん近影

もともととくに信心深いという訳ではないのですが、「日々私たちを守ってくださる八百万の神さまに、感謝を伝えたい」そんなふうに思うのは、私のなかに残る日本古来の遺伝子のおかげでしょうか。あるいは山と海に恵まれた新緑の美しい景色に心を奪われるためなのでしょうか。

若い頃はあまり興味がなかった、高千穂峡、出雲大社、戸隠神社、伊勢神宮といった場所に俄然惹かれる自分を再確認する今日この頃です。日本書紀がこんなにおもしろい物語であったことを学生だった自分に教えてあげたい思いです。初めて高千穂峡を訪れたときの感動や、出雲大社で見た想像を超えるダイナミックなしめ縄。

そこに神話があり、信仰があり、歴史と人々の営みがあったことを想像するだけでワクワクとしてきます。訪れたい場所は国内だけでも、山ほどあります。いつか行きたい場所は、うっかりしていると行ける体力がなくなってしまうかもしれません。足腰の鍛錬と行動力は今後ますます優先課題となってきそうです。

年に一度の「お伊勢参り」は欠かせない習慣に

そんなことからも、この数年は年に一度のお伊勢参りだけは欠かせなくなってきました。その際には一年のお礼を込めてお神札(おふだ)を替えることも目的のひとつとなっています。

神棚
自宅に設置している神棚

自宅にはシンプルではありますが神棚を設置して毎朝二拝二拍手一拝が習慣となりました。

そして伊勢神宮参拝の際には「御垣内参拝(みかきうちさんぱい)」をお願いすることにしています。これは一般参拝よりも正殿に近い場所。文字通り御垣内に入らせていただくのですが、もしお伊勢参りを予定されていたら、ぜひにと、友人たちにもお勧めしています。

ただ一般参拝と異なり、この御垣内参拝に際しては、正装でなければならないという条件があり、毎回ここで反省点が生じてしまっています。まだまだ参拝素人の私は先日訪れた際にもこの、正装をめぐって試行錯誤がありました。