生活が困窮している親から頼られたら援助すべき? 「子どもの浪人や留年で家計の余裕がない、親との折り合いも悪い」という読者の疑問に、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんがアドバイス。畠中さんは「親への援助は無理せずに」と語ります。その理由とは?
すべての画像を見る(全3枚)【悩み】折り合いの悪い母親への援助がツラいです…
二宮恵子さん(仮名・滋賀県・49歳)は、夫(49歳・会社員)、長男(22歳)、二男(19歳)と暮らしています。
「自営業の父が借金を残して他界。遺された母は祖母が遺したわずかな貯金と国民年金で暮らし、ひとり娘の私に頼ってきます。でも、もともと母とは折り合いが悪く、さらにわが家も子どもの浪人や留年で、援助の余裕はありません」
こちらが二宮家の家計表です。畠中さんのアドバイスとともにみていきましょう。
●親への援助:しない方がいい。生活保護も視野に
親を援助して貧困に陥り、自分の老後に生活保護を受ける人がいます。さらにその子も生活保護…という負の連鎖に陥ることも。なので無理な援助は禁物。収入の少ない親こそ生活保護の検討を。役所の福祉課などで相談できます。
また、子どもが働いていたり一定の収入があっても、親が生活保護を受けることはできます。ただし親子同居で、世帯収入が多いと難しい場合も。
●食費:月収の16%程度に。外食費はボーナスの残りで
外食費を含めた食費が10万円と、手取り月収の21%を占めています。適正な食費は手取り月収の16%以内ですから、8万円程度におさえて。外食はボーナスの残りで楽しむように改善すれば、外食費だけで2万円カットも可能です。
●教育費:まとめてボーナス払い。浮いたお金で毎月貯蓄を
学費を毎月17万円積み立て、結局は赤字収支をボーナスで補てんする悪循環。前後期2回の大学費用は、ボーナスからまとめて出した方が家計の混乱を防げます。食費の見直し分も含め、月16万円は貯蓄可能に。先取りで確実に貯めて。
教育費のボーナス払いで月の赤字を解消して。親への援助は無理せずに
親への援助は一度始めるとやめづらく、将来介護が始まると金額も増えていきがち。無理をすると、自分の老後資金が貯められません。
お母さんには、生活保護を受けてもらうのが現実的な解決策。年金をもらっていても、生活保護費から年金額を引いた額が受けとれます。しかも医療費や介護費が無料になるので、お母さんも安心なはず。
一方、家計の赤字は、授業料用に積み立てている17万円の教育費が大きな要因。外食代を含めて10万円の食費も多めです。
教育費は、余裕があるというボーナスからまとめて出しましょう。年収に対してボーナスの比率が高い人は、使い道を全部書き出して予算化し、ムダづかいを防いで。残金で外食代を賄い、教育費をボーナス払いにして家計を整えれば、月の家計からは16万円の貯蓄が可能です。