急増する教育資金に対応しながら、老後資金の備えも気になる…。そんな悩める読者の家計を、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが診断。「教育資金と老後資金は同時貯めがマスト!」と語る畠中さんのアドバイスをチェックしましょう。

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教育資金と老後資金の備え(※写真はイメージです)
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【悩み】教育費と老後資金の貯めどきが重なりそう

足立あかりさん(仮名・千葉県・44歳)は、夫(44歳・会社員)、長女(14歳)、二女(5歳)の4人家族。

「17年後の二女の大学卒業時には、親の私たちは61歳。ずっと教育費がかかり、老後資金の貯めどきがわかりません。今は家計から教育資金、私のパート代から老後資金を貯めていますが、どちらもたりるのかが不安です」

足立さんの家計表

こちらが足立家の家計表です。畠中さんのチェックポイントとともにみていきましょう。

●教育費:学資保険の短期払いを利用して早めの準備を

高齢出産の場合、本来は子どもが0~2歳のうちに「短期払いの学資保険」に入っておくと安心。5歳、10歳までなど短期で保険料を払い終えるもので、早めに学費を確保できるのがポイント。結果的に老後資金の準備がしやすくなります。

●老後資金:もらえる年金額内に生活費を納めよう

日本年金機構から誕生月に届く「ねんきん定期便」には、50歳以降、年金の予想額が記載されます。住宅ローンと教育費を除く生活費が、その範囲に納まるようにして。年金生活で赤字が出なければ、老後に必要な額も少なくすみます。

●住宅ローン:毎月の返済額を増やして完済の前倒しを

足立さんの場合、近い将来教育費がかかるので繰り上げ返済で貯蓄を崩すのはNG。月の返済額を増やすことで、返済期間を短縮させましょう。月約1万円増やせば夫65歳で、約2万6000円増やせば夫60歳で完済が可能。銀行に相談を。

教育費と老後資金は「同時貯め」がマスト!計画的に備えて

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高齢出産の場合、教育資金と老後資金は「同時貯め」が原則。足立家は、両方を上手に貯めています。ただし、余裕があるからと長女に教育費をかけすぎると、二女が手薄になるので注意を。二女が中学生になり進路が見えてきたら、資金プランを立てましょう。

大学費用は私立文系で500万円、私立理系だと修士課程も含めて6年間通うケースが多いため、1000万円が目安。入学時費用は学資保険で用意できているので、残りは老後資金とバランスをとり、不足しそうなら奨学金も視野に入れて検討してください。

一方、老後のために、すぐ実行したいのが住宅ローンの見直し。現状では夫が70歳まで返済が続いて退職金で完済することになり、老後資金が乏しくなります。月の返済額を増額して、遅くとも65歳までに払い終えましょう。