家じゅうがゴミで埋め尽くされた「ゴミ屋敷」。足の踏み場がないどころか天井までぎっしりのゴミ、カサカサになったゴキブリの死骸、漂う悪臭…など、漫画家・西園フミコさんは、『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』(扶桑社刊)にて、その光景を“地獄”だったと描いています。もしも家がゴミ屋敷化したとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。今回は、ゴミ屋敷専門パートナーズ代表取締役社長・石田毅さんに、業者の選び方や費用感などお話を聞きました。

ゴミ屋敷
石田さんが実際に片づけた「ゴミ屋敷」(画像提供/ゴミ屋敷専門パートナーズ)
すべての画像を見る(全2枚)

増加し続ける「ゴミ屋敷」。大切なのは“現状を伝えること”

2018年の創業当初は、月に2~3回程度だった片づけの相談。しかし、年々その数は増加し、2023年度には相談が4000件以上、うち3000件を超える片づけを行いました。相談するときに大切なことが「現状を伝える」ということ。

石田さん
ゴミ屋敷専門パートナーズ代表取締役社長・石田毅さん

「ゴミ屋敷に恥ずかしさや申し訳なさを感じてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、弊社では汚れ具合を理由にお断りすることはありません。遠慮した結果、どんどん汚くなってしまうと、費用もかさんでいき、困るのは自分自身。だから少しでも気になったらご相談いただき、現状をお話しいただくのが重要です。

相談の際は『床が見えているか? 見えていないか?』というところをまず伝え、“ゴミの積もっている高さ”をくるぶし、ひざから上、腰、胸、頭、天井…などで表して伝えるのが分かりやすくおすすめです」(石田さん、以下同)

ついつい「なんとかなるかも…」「少し片づけてから業者に頼もう…」と考えてしまいそうですが、手に負えなくなる前にまずは相談するのが、解決への近道。意外かもしれませんが、石田さんによると、ゴミ屋敷の片づけは1日で終わるケースが多いそう。

「片づけのために数日予定をあけてもらうなど、長い時間で行うと依頼者の負担も大きくなるし、近隣トラブルにつながる場合もある。だから、不用品がたっぷりとあるゴミ屋敷でも効率的に作業して、だいたい1日で終わらせるようにしています」