中学受験に挑む子どもの数は過去最多水準と言われています。その一方で、根強く残る受験にまつわる「よくある誤解」。今回は「受験失敗」についてと、私立中学における「ダイバーシティ」について。教育・学習ライターの小川晶子さんが、大手中学受験塾のSAPIX(サピックス)小学部に取材、最新の「中学受験のリアル」をレポート。『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版刊)から一部抜粋、再構成してお届けします。

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低学年の頃からがんばってきたら喜びも落胆も大きい※写真はイメージです
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子どもの心を守るために「全落ち」は回避する

一生懸命勉強してがんばったのに、中学受験に失敗したら大きな傷を負うのではないか。心配する気持ちは当然です。

小学生の子にとって、初めての入試で不合格が続くというのはショックが大きいものです。自信を失ってしまうかもしれません。中学受験を通じて幅広い知識や考える力を身につけ、大きく成長しているはずですが、過度に精神的なダメージを負ってしまってはよい体験とはいえなくなります。

ですからSAPIXをはじめ中学受験塾では、すべての入試に不合格=「全落ち」は回避するように受験パターンを組むことをすすめることが多いです。

落ち着いて実力を発揮するためにも、早めにひとつは合格を手にできるようにします。

 

学んだこと自体の価値は必ず残る

学び
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「中学受験という経験に失敗はない」

こう考えさせてくれたのは、JAXA宇宙科学研究所教授で、はやぶさ2のプロジェクトマネージャーをしている津田雄一さんの体験です。

津田さんは中学受験では志望校に入学できませんでしたが、中学受験に向けて努力したことが今に活きていると言います。

学んだこと自体の価値は消えることがありません。だから、たとえ全落ちしても「そのおかげで今があります」という人も多いのです。とはいえ、少なからず精神的なダメージを受ける子もいますので、受験校選びは慎重に行ないましょう。