欧米男性などと比べると、親子間の愛情表現が薄くなりがちな日本の男性。「日本の男性が愛情表現をあまりしない理由は、子育て中の親のアクションが大きく関わっている」と語るのは、人間の脳の特徴を活かした子育て方法を提案する脳科学者・黒川伊保子さんです。そんな黒川さんが語る、自分の息子を優しい子に育てるための方法とは?

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思春期までにたくさん「優しいことば」を入力しよう

息子と母親のイメージ画像
優しい息子に育つ「会話のコツ」は?(※画像はイメージです。画像素材:PIXTA)
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この国の母と子は、あまり愛を口にしません。指図と口ごたえ、文句と不機嫌だけが行き交う親子も少なくありません。子は、なぜ、愛を口にしないのでしょうか。それは、親が口にしないからです。

ヒトの脳は、人工知能と一緒です(本当は逆、人工知能がヒトの脳を模しているのですが)。「優しいことば」なんて、入力しなければ出てきやしません。

だから、私は改革しました。息子が生まれてきた日から、「あなたが好きよ。愛してる」と伝え続けました。息子も自然に、「好きだよ、ママ。愛してる」と言ってくれるようになり、思春期以降も、優しいことばをかけてくれるようになったのです。

息子のトリセツ
『まんがでわかる! 息子のトリセツ』(扶桑社刊)より

たとえば、手をぶつけて痛がれば、必ず「大丈夫?」と声をかけてくれます。

夫が「よくそんな見え透いたことが言えるよな」と言ったときも、「痛いのは、手じゃなくて心なんだよ」と言ってくれました。私も彼が転べば、飛んで行って抱き上げました。転んだショックを和らげてあげたくて。子どもが痛いのは、体より心だと私は思っていたからです。口には出さないのに、息子はこのことを知っていたのでしょう。