男の子を育てる際に気になりがちなのが、“散らかしっぱなし”に、“ぼんやり癖”。何度言っても改善されないものですが、「散らかしもぼんやりも男の子の脳を育てるうえでは必要な行為」と語るのは、脳科学者の黒川伊保子さんです。そんな黒川さんに、脳科学的視点からみた息子を育てるコツを教えてもらいました。

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男の子は“散らかしっぱなし”でなぜ平気なの?

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男の子の才能を伸ばすには?(※画像はイメージです。画像素材:PIXTA)
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脳には、同時にできないことが山ほどあります。でも、同時にできないなら、「とっさに、どちらを使うか」を決めておかないと身に危険が及ぶこともあります。

「遠くを見る」と「近くを見る」は、二者択一です。男たちは、「遠くを見る」能力で、荒野を駆け、森を開拓し、闘って家族を守り、子孫を残してきました。数学や物理学の新発見を重ね、橋を架け、ビルを建て、宇宙にも飛び立つ。しかし「近くが手薄」なので、優秀な男性脳ほど、家のなかでは役立たずな感じが漂ってしまうのです。

まんがでわかる! 息子のトリセツ
『まんがでわかる! 息子のトリセツ』(扶桑社刊)より

脳が子育てモードで「一生で最も気が利く状態」になっている母脳としては、気になってしょうがありません。ですが、「近くを注視して、先へ先へ気が利く」脳の使い方を強制すると、無邪気に「遠く」が見られなくなります。

あちらを立てれば、こちらが立たず。これが、脳の正体=感性領域の特性です。欠点をゼロにしようとすると、長所が弱体化します。息子の脳に、男性脳らしさを根づかせたいなら、弱点も呑み込むしかありません。

息子の「ぼんやり」と「ぱなし」を許しましょう。