●投資の王道は昔も今も「長期」「分散」「積立」

雑誌やテレビなどで資産1億円を達成した「億り人」がたびたび取り上げられています。彼らのように短期間で資産を一気に増やすのはとても魅力的ですが、投資の王道は昔も今も「長期」「分散」「積立」の3つ。

グラフ
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「まず長期投資ですが、期間は最低でも10年以上を想定したいところです。たとえば、米国の主要株価指数である『NYダウ』(ダウ工業株30種平均)は、2023年に史上最高値を更新しています。それまでリーマンショックやコロナショックなど、様々な下落局面がありましたが、時間をかけてマイナス分を取り戻し、成長を続けてきました。

『日経平均株価は、まだバブル時の高値を超えていないじゃないか』という声も聞こえてきそうですが、仮に配当を考慮して計算した場合、すでに5万6000円程度(2023年8月現在)まで上昇していることになります」

●卵は1つのカゴに盛るな

「次に分散投資ですが、株式市場には『卵は1つのカゴに盛るな』という有名な格言があります。たとえば特定の銘柄や国に集中投資している場合、その投資対象が急落するようなケースでは資産が大きく目減りしてしまいます。でも、複数の銘柄や異なる国に投資していれば、それぞれの資産で異なる動きが期待できるため、リスクが分散できるというわけです」

●毎月コツコツ、一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」

多くの長期投資家が実践するポピュラーな手法として「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資手法があります。

解説

「ドルコスト平均法とは、『変動する投資対象を常に同じ金額で定期的に購入する』という投資手法です。これにより、投資対象の価格(株価など)が高いときには少なく、低いときにはより多くを購入することができます。

ドルコスト平均法のメリットは、全体の購入単価が平均化されるということ。とくに長期間の積立投資で効力を発揮するとされています。

極端な話、今後20年間をかけて同一銘柄に投資する場合、今の価格が高いのか安いのかは投資のプロでも判断が難しいものです。でも、ドルコスト平均法で毎月コツコツと積み立てていけば、20年間の平均で購入することができるというわけです」

短期投資の場合、株価の下落は嫌なものですが、ドルコスト平均法では株価が安いときほどたくさんの株数を購入できるため、長期投資家にとっては株価の下落さえも歓迎すべき材料となるわけです。

「積立投資はできるだけ早く始めたほうが有利です。新NISAでは少額から積み立てが可能ですので、『お金がある程度貯まったら始めよう』と考えずに、まずはスタートしてみることが大切です」

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