「家庭料理だもの、しかたない…」とあきらめていた炒め物の水っぽさも、肉料理のパサつきも、煮込み料理のもの足りなさも、加えるだけでぜんぶ解決! そんな魔法のような調味料があるのをご存じですか? なんと「料理酒」と「油」を混ぜるだけ。たったそれだけなのに、お店と同じ「シャキッ」「パラパラ」「しみしみ~」な一品が、いとも簡単に実現してしまうのです。

ある意味、世紀の大発見(?)ともいえる最強の調味料を生み出した本人でもあり、著書『魔法の万能調味料 料理酒オイル』(ダイヤモンド社刊)がいま、じわじわと話題を呼んでいる料理芸人・クック井上。さんに「料理酒オイル」について教えてもらいました。

「料理酒オイル」なら、家庭でも中華料理屋さんのような仕上がりに

クック井上。さん
クック井上。さん 出典:「魔法の万能調味料 料理酒オイル」(ダイヤモンド社刊)
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――「魔法」とあるだけに、どんな珍しいものが使われている調味料なのかと思いきや、なんと料理酒と油という、ごくごく身近なものを合わせただけのものでした。しかも、今までも「料理酒」と「油」を入れてつくる料理はごまんとあった気がしますが…?

クック井上。さん:「料理酒オイル」は、料理酒と油をしっかり混ぜ合わせて乳化させることで生まれる効果を利用したものです。別々に入れるのとは、仕上がりがまったく異なります。

たとえば炒め物の場合、「料理酒オイル」は油と、水より沸点の低い酒が最初から混ざっているので、熱い鍋肌に当たった瞬間に一気に湯気が立ち、鍋やフライパンの温度を下げずに上質かつ、細かくて猛烈なスチームが立ち上がります。さらに、あおらなくても具材全体に油がいきわたります。つまり家庭でも、中華料理屋さんのような鉄鍋を使い強い火力で炒めるのと同じように調理でき、野菜のシャキシャキした食感が際立つというわけです。

料理酒オイル
出典:「魔法の万能調味料 料理酒オイル」(ダイヤモンド社刊)

ほかにも「料理酒オイル」なら

・ベチャッと水っぽくなりがちな「チャーハン」「焼きそば」も…
お店みたいにほどよくしっとり、香ばしくもちろんパラっと!

「ハンバーグ」「ミートボール」「ギョーザ」「シューマイ」などのひき肉料理は…
肉にしっかりと下味がつき、同時に臭みも取れる!

「から揚げ」「ポークソテー」「チキンカツ」「ローストビーフ」なども…
しっとりやわらかに仕上がる!

「豚汁」「キンピラ」「肉ジャガ」などの煮る前に炒める料理も…
上質なメイラード反応が起こり、褐色で香ばしい風味が生まれるため、短時間で味わい深く!

・買ってきた「鰻の蒲焼」「魚の干物」も…
表面パリッと中はふっくら。おまけに臭みも取れる。

「古米」に加えると…
ツヤツヤふっくら味わい深く!

…と、数えきれないほど、おいしい変化を起こしてくれるんです。

うんちくはこのくらいにして、とにかく「料理酒オイル」をつくって、料理してみてください。「ド」定番の料理ほど、感動するくらい違いがわかるはずですよ。

 

●簡単!「料理酒オイル」のつくり方

料理酒オイルのつくり方
出典:「魔法の万能調味料 料理酒オイル」(ダイヤモンド社刊)

【材料】

  • 料理酒 200ml
  • サラダ油 50ml

【つくり方】

(1) 清潔な保存容器を用意する。

(2) 料理酒200mlとサラダ油50mlを入れる(料理酒4:油1)。

使う際は、中身が白っぽくなるまで容器を振って、よく混ぜてください

「料理酒」には、米こうじに加え、塩分や糖類などが最初から入っているのがポイント。料理の味を損なうことなく、塩や糖の力で食材をやわらかでジューシーにしてくれます

冷蔵庫で保存すると安心です