2023年はドラマに映画にと、エネルギッシュな活躍でその存在感を強く印象づけた俳優・眞栄田郷敦さん。12月公開の映画『彼方の閃光』では東松照明の写真に導かれ、戦争の痕跡をたどる美大生を熱演。今思うことを聞きました。
眞栄田郷敦さんインタビュー。移動先に必ず持っていくものとは？
2022年は『エルピス－希望、あるいは災い－』、2023年は大河ドラマ『どうする家康』や映画『東京リベンジャーズ2血のハロウィン編』でも力強い存在感を見せた眞栄田郷敦さん。12月公開の初主演映画『彼方の閃光』では、旅先で出会った自称革命家の友部（池内博之さん）とともに、戦争の痕跡をたどる美大生・光（ひかり）を演じています。
●お芝居をしている感覚もなくなった
「撮影したのは僕が21歳のとき。最初に台本を読んだときから強い余韻が残って、『ぜひやりたい』と思いました」
戦争については学校でも学んできたものの、「どこか非現実的に感じていた」という眞栄田さん。しかし、1か月ほどかけて行った長崎や沖縄での撮影、また監督や出演者たちとの対話をとおして、自然と実感が湧いてきたと言います。
「共演した尚玄（しょうげん）さんは実際に沖縄出身で、しかもドキュメンタリーのようなリアリティのあるお芝居をされる方。だから僕も自然に感情が動いて、途中からはお芝居をしているという感覚もなくなっていきました」
さらに眞栄田さんが衝撃を受けたのは沖縄の塹壕（さんごう）での撮影。
「かなりの長時間、真っ暗な壕の中で撮影したんです。かつてここにぎゅうぎゅうに人がひしめいて、命の危険に怯えていた…やっぱり話で聞くのと、実際にその場所に行くのとでは受け取るものが全然違いますよね。撮影後に外に出たときは、太陽がまぶしくて。光の暖かさやありがたみを強く感じました」
