50代、これからどう暮らしていくかを考え始める人も多いのではないでしょうか。築50年越えの団地で日々節約や時短、インテリアの工夫を楽しみながら自分らしくひとり暮らしをしている50代のブロガー・きんのさんも、50歳を前にして暮らしを大きく変える選択をしました。
ここでは、『54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社刊)を出版したばかりのきんのさんの暮らしを紹介します。
築50年の団地に「住み替えてよかった」こと
おひとりさまの老後は、生活に便利な都内でマンション暮らしの予定でした。35年ローンが組める40代ギリギリで、滑り込むように都内の新築マンションを購入。
終の住処として一大決心の末購入したマンションを10年もたたずに売却し、50代で郊外の団地に住むことになったのは、親の介護がきっかけです。
都内マンションから郊外団地に住み替えて5年、実際に暮らしたからこそ気づいたことがあります。
●暮らしがシンプルになり、生活の質も上がった
すべての画像を見る(全12枚)住み替え当初は、最新設備の整ったマンション暮らしが恋しかったです。エレベーターなし、宅配ボックスなしは正直不便ですが、住めば都と言うように、今は団地暮らしが気に入っています。
日々実感するのは緑の多さ、まるで公園の中に住んでいるみたいです。窓から見える風景は四季移り変わる団地の豊かな植栽たち。周囲の建物と距離が離れているので、人目をそれほど気にせずに生活できるのもうれしい。
もちろん日当たりは抜群で、植物を育てるにもいい環境です。住み替え後はキッチンでハーブを育てたり、ベランダで家庭菜園も始めました。
ほどよく生活インフラが整っている場所だったことも、功を奏しました。徒歩圏内に商店街やスーパー、病院、図書館、役所、交番等があり、無料シャトルバスでショッピングセンターや映画館にも行けます。最寄駅へは少し遠いけど、バスが発達しているので不便は感じません。
自分に必要なものがコンパクトにまとまっているから、移動にかかる時間が減りました。車に依存せず、徒歩か公共交通機関で生活ができることは、老後生活の安心材料にもなっています。
築50年越えの団地は分譲価格200~300万前後で購入も可能。住み替えで10㎡以上広くなり、自分好みの間取り、壁紙にリノベーションしたことで、おうち時間が快適になりました。もちろん築50年越えの団地は、湿気や防音面など問題があります。「休日はここをメンテしたい!」と快適な生活を目指し、工夫して暮らす方法を考えることは案外楽しく、今ではDIYが趣味になりました。
環境がよくなり、心が安定したせいか「必要なものだけもつ」「無理せず手が届く範囲で充分」「楽チン仕様」という私らしいシンプル生活を目指すように。