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年を取ると、多くの人にやってくるのが「実家の片づけ」。大量に残された服や生活雑貨、引き取ってもらうにもお金がかかる家具に家電、いったいいくらかかるのでしょうか。ここでは、実家があき家になったライフオーガナイザーの尾花美奈子さんの実体験を伺いました。

記事の初出は2022年11月。内容は執筆時の状況です。

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実家の片づけ。処分費用の見積もりを取ってみた

約1年前、母が介護施設へ入居したことであき家になった実家
そのときは取り急ぎ直近で必要になりそうなものをそろえて持って行き、その後数回、季節に応じた日用雑貨衣類を自宅へ取りに帰りました

キッチンの引き出し
皿や調理器具など、キッチンの引き出しには雑貨がたくさん
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そしてすべての季節が過ぎ、「もう実家から施設へ持って行く物はないだろう」となり、残っているものすべてを処分するとしたら、一体いくらぐらいになるのかを処分業者に見積もりしてもらいました。

●思いもかけない金額にビックリ

実家の片づけ費用の目安としては、「おうちまるごと整理に50万円。高いと100万円」と聞いたことがあります。でもそれは「片づいていない家」の話であり、実家の場合、片づけ続けてきたから安くすむだろうと思っていました。

ところが実際に見積もりを取ってみると、おおよそ大卒社会人の初任給の2か月分。まさかの金額に「なぜ!?」とただただ驚きましたが、理由を知って納得しました。

 

●高額な費用の理由は「広すぎる家」

高額になった理由は「広すぎる家」にありました。
実家は3階建ての2世帯住宅。1階と2階それぞれにダイニングキッチン、和室と洋室が合計8部屋、さらに納戸もあってかなり広い造り。2世帯だったので冷蔵庫と洗濯機が2つずつ、ダイニングテーブルと食器棚も2つずつというように家具や家電が多くあり、3階建てなので搬出も大変になります。

3階の元私の部屋。家具だけはいまだ処分できず
3階の元私の部屋。家具だけはいまだ処分できず

収納スペースが広い分、家具・家電以外の物もそれなりにありました。
母は整理収納が得意で1か所1か所はかなり細かくキレイに収納していましたが、なかには「もう使わない家具に使わないものを収納している」ということもありました。
つまりまるごと不用品なのですが、もったいない精神や、家具を処分する大変さから残しておいたのだと思います。

納戸にあったチェストは私が子どものときのもの。引出し中には昔のカーテンが
納戸にあったチェストは私が子どものときのもの。引出し中には昔のカーテンが

もちろんキレイに収納されていれば暮らしやすくなるのでそれにこしたことはないですが、処分という点ではキレイさより「量」が作業人数と作業時間に反映されます。それゆえ、実家の処分費用の見積もりは高額となったようです。

 

●高額だけど相場よりは安かった

たしかに高額ではありますが、じつは相場平均より安くすんでいるようです。
いくつかのサイトで相場平均について調べたところ「間取りが4LDK以上で22万~66万円、作業人数4~10名、作業時間6~15時間」という記載がみられました。

実家は4LDKどころか8LDK以上でありながら66万円未満で、作業人数・時間も「8名、5時間」という見積もりでした。とくに作業時間は大幅に下回り、それは次の3つのことを行っていたからだと思います。