子どもが体調不良になったとき。「どこに相談すればいいの?」「いきなり大きな病院に連れて行ったら子どもが怖がるかな」など、さまざまな不安がつきまといますよね。そんなときに頼りになるのが「かかりつけ医」です。この記事では、自分や家族の健康状態を日頃から相談できる「かかりつけ医」をもつメリットや、ESSE読者の「かかりつけ医」体験エピソードなどを紹介します。
日頃の健康状態を相談できる「かかりつけ医」とは?
子どもの急な体調不良。コロナウイルスやインフルエンザの可能性を考えたり、「どこで診てもらえばいいの?」と心配ごとがたくさん。そんなとき、不安の解消につながる「かかりつけ医」を知っていますか?
かかりつけ医は、自分の住まいの近くにある診療所や病院で、顔の見える関係で自分や家族の健康に関することをなんでも相談できるお医者さんです。身近で頼りになって、日々の暮らしのなかでの健康の相談から病気やケガのときの受診まで、かかりつけ医がいればどの世代にとっても心強い存在なのです。
かかりつけ医をもつメリットとして、代表的なものは3つあります。
●(1)日頃の健康状態を知ってもらえる
日頃の状態をよく知っているかかりつけ医であれば、ちょっとした体調の変化にも気づきやすいため、病気の予防や早期発見、早期治療が可能に。
●(2)症状に応じた専門家の紹介がスムーズ
お医者さんにもそれぞれ専門領域があり、ほかの医療機関を受診した方がよい不得意な分野は診療を行えない場合もあります。そんな場合には、適切な医療機関の紹介や地域のほかの医師や病院と協力して解決してくれます。大病院に紹介状を書いてくれますし、患者さんの診療記録(カルテ)もスムーズに共有してくれます。
●(3)病気の予防や早期発見・早期治療にもつながる
かかりつけ医がいれば、病気や症状、治療法などについて的確な診断やアドバイスをしてくれます。日頃の健康相談はもちろん、大病院への受診など判断に困ったときに「どうすればよいか」を相談でき安心です。
どうやって選べばいい?かかりつけ医Q&A
ESSE読者にアンケートを取ったところ、かかりつけ医について「知っていた」のは84.6%、「詳しくは知らない」という人は15.4%でした。そんなかかりつけ医について、Q&Aでもっと詳しく見ていきましょう。
●Q.自分で選んでいいの?
→A.自分で選択できます
日常生活における健康の相談や体調が悪いときなどにまず相談する、自分が信頼できると思った医師であればかかりつけ医と呼べます。
●Q.何科の医師を選べばいいの?
→A.どの診療科の医師でもOK
内科医がかかりつけ医と思われがちですが、どの診療科の医師でもかかりつけ医になります。
●Q.選ぶのは1人なの?
→A.1人に決める必要はありません
たとえば、内科のかかりつけ医のほかに眼科にも通院しているという場合には、眼科の医師もかかりつけ医といえます。
●Q.引っ越しをしたらかかりつけ医を変えないといけないの?
→A.新しい住まいの地域にかかりつけ医を見つけておくのがおすすめ
引っ越し先で現在のかかりつけ医に診てもらうのが難しい場合には、新しい住まいの地域にかかりつけ医を見つけておいたほうがいいでしょう。どんなところに住んでいても、身近で気軽に相談できるかかりつけ医をもっておくことが大切です。
かかりつけ医がいてよかった!読者の体験エピソード
アンケートでは、日頃からかかりつけ医を活用している読者から「かかりつけ医をもっていて安心した」という声も多く聞かれました。読者が体験したかかりつけ医とのエピソードの一部を紹介します。
●子どもの成長に合わせた処方をしてくれるので安心
「娘は肌が敏感で、0歳児の頃から14歳の現在に至るまで同じ皮膚科・小児科にかかっています。処方される軟膏は数種類の有効成分の混合軟膏で、娘の症状や成長ごとに配合を変えてくださるので、かかりつけ医を持っていてよかったと思います」(東京都・50歳)
●小さな異変を見逃さず、早期発見に繋がりました
「息子は鼻風邪をひきやすく、かかりつけは耳鼻科。その耳鼻科医師が、息子のまぶたの異変に気がついて大学病院を紹介してくれました。専門領域外の医療機関でも受診をすすめていただき、感謝しています」(青森県・45歳)
●ライフスタイルの変化を察知したきめ細かな対応に感動
「子どもが幼稚園に入った頃のこと。『ずっとお母さんのそばにいるわけじゃなくなったからね。このほうが幼稚園行かせやすいでしょう?』と、それまで1日3回だった風邪薬を1日2回の処方に変えてくれました。子どもの年齢や服装からライフスタイルの変化に気がつき、それに合わせた提案をしてくれて感動しました」(岐阜県・37歳)
もし夜間や休日に体調不良になってしまったら
夜間や休日など、かかりつけ医が対応できないときに体調不良になってしまった場合に対応してくれる電話相談窓口もあります。
●子どもの症状は【♯8000】
休日・夜間の子どもの症状にどのように対処したらよいのか、病院を受診した方がよいのかなど判断に迷ったときに、小児科医師・看護師に電話で相談できるのが子ども医療電話相談事業【♯8000】です。
全国統一の短縮番号♯8000をプッシュすることにより、住んでいる各都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師から症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
●大人の症状は【♯7119】
「すぐに病院に行った方がよいか」や「救急車を呼ぶべきか」悩んだりためらうときに、医師・看護師等の専門家に電話で相談できる救急安心センター事業【♯7119】。現在は一部地域で実施されていて、実施エリアの拡大が進んでいます。
かかりつけ医や【♯8000】【♯7119】を利用し症状に応じた適切な医療行為を受けることで、早急に治療が必要な重病患者のケアをスムーズに行うことができるようになるなど、医療従事者の負担軽減にもつながると言われています。
医療機関の情報については、医療機能情報提供制度(医療情報ネット)で、都道府県ごとにその情報を住民・患者に対して提供していますが、令和6年度からは、厚生労働省で検索システムとデータを集約し、全国統一のシステムで医療機関の検索ができるようになります。
この機会に住んでいる地域の医療機関に目を向けて、自分や家族の健康を守るかかりつけ医を見つけてみてはいかがですか?
提供/上手な医療のかかり方.jp https://kakarikata.mhlw.go.jp/