子どもが独立して家族の人数が減ったり、生活スタイルが変化したり、人生のセカンドステージを迎えて、家の住み替えを検討するタイミング。郊外の一戸建てから都市部のマンションに、など、よりコンパクトな部屋に引っ越す人も少なくありません。

昨年60歳を迎えた金子敦子さんも、家族にとっての優先順位を考えて、ファミリー向けの郊外のマンションを手放して22年前に住み替えを決意。その結果、人生がより豊かになったと語ります。現在も、夫、20代の娘と家族3人で52㎡のマンションで暮らす金子さんのライフスタイル本『ヤッホー! 60歳』(扶桑社刊)から、自分らしく快適に住まう工夫を抜粋し、紹介します。

家の中にいる女性
『ヤッホー!60歳』著者、金子敦子さん
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親子3人、52㎡のマンションで暮らす住まいの工夫

早速、住み替えて快適になった金子さんの住まいの工夫を紹介します。

家の中

●郊外の3LDKから「時間を買うため」都心に引っ越し

22年前、娘が3歳のときに、神奈川県の3LDK、88㎡のマンションから、今、住んでいる都心の1LDK、52㎡のマンションに住み替えました。理由は「時間を買うため」。私にとって、時間は人生でいちばん大事なものです。

引っ越して、夫も、当時、勤め人だった私も、通勤時間が3分の1ほどに。郊外と違って娘の保育園も難なく入ることができたし、距離も近くなって送迎時間が減り、体が楽になったのを覚えています。映画館やデパート、大きな書店も歩いて行けるから暮らしがぐっと豊かになって、車も必要なくなりました。近くにスーパーがないのが難点ですが、いい運動だと考えて、徒歩や自転車で行っています。

●寝るときは、リビングに布団を敷いて川の字で

布団

この家に引っ越すとき、「置く場所がない」という理由で、それまで使っていた家具のほとんどを手放しました。

ベッドもそのひとつ。個室もないので、それ以来ずっと、リビングに布団を敷いて家族3人、川の字で寝ています。床にものを置きっぱなしにすることを防げるし、修学旅行みたいな楽しさも。

娘が中学生のとき、「ひとりで寝てみる」と言って離れて寝たことがありましたが、「さみしい」と、たった1日で戻ってきました。一緒に寝るほうが落ち着くそう。娘が大きくなった今は寝る時間も起きる時間もバラバラですが、お互い気にしないし、寝相やいびきで多少のバトルはあるものの(笑)、3人とも不満はありません。

この話をすると「お父さんと娘さん、一緒に寝てるの?」と驚かれますが、娘は小さいころから夫と大の仲よし。反抗期もなく育って、25歳になった今も、ふたりで食事や映画に出かけています。それも、ずっと一緒に寝ているからかもしれません。